シニアと行きたい旅行プランをトラベルライターの間庭典子がご提案。今回は南国・高知への旅。吸い込まれるような仁淀(によど)ブルーや躍動感のあるよさこい、朝ドラで話題になった牧野富太郎博士の植物園など、高知ならではの見どころを効率よく回るコツをご紹介します。

1. よさこい愛にあふれた宿を拠点に、スマートに移動

高知と言えばよさこい祭り。伝統やご当地ソングをベースにした楽曲や装いで、鳴子を鳴らしながら、踊るのがよさこいですが、鳴子だけでなくさまざまな小道具を使って、現代的にアレンジした演出のエネルギッシュなよさこいも人気です。祭りの期間は、街全体がうねるような熱気に包まれます。お祭り当日に参加することは難しくても、よさこい愛を感じられる施設や宿も多く、その文化を体感できますよ。

2024年6月にグランドオープンしたOMO7高知(おも) by 星野リゾートはまさにその代表格。土佐の文化や風土を感じるインテリアやアクティビティが満載です。宿泊者は無料で鑑賞できる「よさこい楽宴LIVE」は必見。よさこいの魅力についてのレクチャーを受け、演舞を鑑賞し、実際に鳴子を振りに合わせて鳴らす体験ができるこのステージは毎晩、開催されています。第一線で活躍するアーティストが楽曲や演出、衣装を手掛け、よさこいのエッセンスが凝縮されたアクティビティです。

館内や客室も高知をよさこいや高知の文化をモチーフにしたデザインで、エントランスロビーでは大きな土佐犬のオブジェがお出迎え。ブッフェでも目の前で仕上げるカツオの藁焼きや芋けんぴなどの土佐料理がずらり。高知の伝統の「皿鉢(さわち)料理」気分で、大皿に好きなメニューを盛り付けるのです。大浴場トサノユには大漁旗をモチーフにした「フラフ」の壁画があり、サウナも完備。トサミズキなどの薬用植物がある庭園の外気浴に癒されます。ここを拠点に街へ繰り出し、歴史名所をめぐり、自然に囲まれての大冒険に挑むのがおすすめです。

見どころが点在する高知ですが、路面電車「とさでん」やバスのお得なフリーパスもあり、タクシーのプライベートツアーなどのプランも充実。コツをつかめばいろんな場所をスマートに回れます。今回は実際に訪れて実感した、移動のアイデアも伝授しますね。

写真上:OMO7高知(おも) by 星野リゾートでは「皿鉢料理」のように、大皿に盛りつけるブッフェを提供。

2. そして市場!日曜市!路面電車で街に繰り出す

市内観光ははりまや橋から東西南北に交差している路面電車のとさでんを活用しましょう。次の駅が先に見えるくらいの近距離に停留所があり、高知駅や高知城とのアクセスもよく、観光に便利です。市内均一200円で乗れて、運行も頻繁にあるので、歩くのに疲れたらすぐ利用できます。とさでんを乗りこなせば、もう街歩きの達人。坂本龍馬のゆかりの地や博物館、美味しい土佐料理を食べられる割烹など、人気の観光スポットをめぐるのもラクラクです。

南国・高知ならではのわくわくする空間と言えば、活気のある市場です。高知城からも近い「ひろめ市場」にはカツオの塩たたきや鯨料理、うつぼの唐揚げなど、土佐ならではの海の幸を楽しめる屋台が朝から営業していて、地元客や旅行者で大賑わい。いわば巨大なフードコートなのですが、市場そのものの活気が味わえます。お店の人だけでなく、常連客もフレンドリーで、市場にいるみんなが仲間、という気分になります。威勢のいい掛け声につられてついつい飲みすぎてしまいそうなので注意(笑)。実際、地元の家族連れは朝からビールや日本酒片手に盛り上がっています。隣のグループから声をかけられるなどの交流も楽しく、これぞ、垣根のない土佐の宴会、おきゃく文化?!

毎週末には「日曜市」が開かれ、野菜や総菜などの食料のほかにも生活雑貨や陶器、盆栽、骨董などさまざまな露店が並び、壮観です。近隣のハーブ農家が出店したスパイスやお菓子、ソープなどもあり、歩くだけでも楽しいんです。高知城の追手門から約1km続く、街路市としては日本最大級で、年末年始やよさこいと重なった日以外は毎週日曜日に開催。早朝から賑わう高知ローカルのエネルギーに圧倒されるはず!

写真上:ひろめ市場の名物、目の前で藁焼きしてくれる塩カツオのたたきは迫力満点!

3. MY遊バスを乗りこなし、桂浜や牧野植物園へも足を伸ばす

旅行者におすすめなのが路面電車、とさでんと観光スポットを回るMY遊バスの両方に乗れるフリーパス。高知県立牧野植物園などのある五台山(ごだいさん)までのエリアは1日900円、桂浜までは1300円で、市内の路面電車、MY遊バスが乗り放題です。ツアーなどと比較すると、自分のペースで行きたいところだけを回れるので気楽です。また各観光施設や宿、お土産屋さんなどの協賛施設の割引なども適用され、とってもお得なフリーパスなのです。

私がかねてから訪れたかったのが、2023年のNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』で一躍有名になった牧野富太郎博士の業績をたたえる高知県立牧野植物園です。まるで植物のテーマパークのような規模で、温室やローズ園、理学や農学、薬学など植物に関する研究所、牧野富太郎記念館などが約8haの広大な敷地にあり、1日では見つくせないほど。公式サイトでも時間や目的にあわせたルートをおすすめしているので、訪れる際はぜひ参考にしてください。

興味深かったのは生物学としての植物の紹介だけでなく、その植物が物語に登場した背景や言い伝えなど、私のような「文系脳」にも響くような展示内容だったこと。それを読みながらの散策が楽しく、時間を忘れてしまいました。サイトや表示では見ごろの植物情報もあるので、旬の草花を見逃すこともありません。モーニングもいただけるる眺望の良いカフェや、牧野博士の書斎を再現した展示などもあり、室内で過ごせる場所も多く、ちょこちょこ休憩をしながら見学できます。そういう意味でも散策しやすい植物園かもしれません。建築家・内藤廣が設計したサステナビリティをテーマにしたモダンな記念館も美しく、ずっとここで過ごしたくなってしまいます。軽食やおやつを持参で、園内でピクニックするのもいいかもしれませんね。次回は1日中、滞在できるスケジュールにするつもりです!

植物園と五台山の展望台、竹林寺はそれぞれ徒歩圏内なので、健脚自慢の方なら歩いてみるのもいいですね。竹林寺は四国八十八ヶ所巡礼第31番礼所。笠をかぶり、杖を手にしたお遍路さんたちとすれ違います。緑に囲まれた山寺を参拝すると清々しい気持ちに。これも四国旅の醍醐味です。

写真下:近代植物分類学の権威、牧野富太郎博士をたたえた高知県立牧野植物園。

MY遊バスを乗りこなし、桂浜や牧野植物園へも足を伸ばす

4. コバルトブルーや群青色。刻一刻と表情を変える仁淀ブルーに感動

せっかく高知に来たのなら、さまざまな青にきらめく奇跡の清流、仁淀川も行ってみたい…! そこで名所・にこ淵や中津渓谷まで訪ねてみました。車がないとなかなか行けないエリアですが、高知では観光ガイドを兼ねた「おもてなしタクシー」というサービスも充実。スタート地点や時間、どの施設でどれくらい滞在するかまで設定された周遊プランもいろいろあり、ルートがイメージしやすく安心です。4時間で25,200円(1台)など価格設定も明確。例えばホテルから出発して、観光しつつ空港まで行くことも可能なので、移動と観光を兼ねて利用するのもいいですね。

さあ、やってきました、仁淀川! 確かに車でないと効率よく回れないほど市街地からは離れた場所にある名所です。舗装されていない自然の中を歩く機会も多いので、できるかぎり軽装にし、荷物はその都度、車内に預けるのがベストです。今回のルートは高知市内からまず、和紙の工房であり、道の駅や宿も兼ねた「土佐和紙工芸村くらうど」へ。そこからにこ淵や中津渓谷のある奥へ進むと、目が覚めるように青く輝く仁淀川が! 中津渓谷には渓流沿いを歩きながら点在する七福神を探してお参りでき、探検気分を味わえます。マイナスイオンを感じながら、コバルトブルーからエメラルドグリーン、群青色とさまざまな青に変わる仁淀ブルーをぜひ、肉眼で見て確かめて欲しい! 天候やその時間帯の日の差し込み方によって表情を変え、緑に囲まれた渓谷は大自然のアート。ここまで足を運んでよかった~~と実感します。ルート沿いでは塩鮎や高知アイス店のソフトクリームなどの地元グルメも楽しめ、なかでもその時期に旬だったとうもろこしは絶品でした。道沿いのとうもろこし農家がもぎたてのとうもろこしをそのまま茹で、販売しているのです。まさにフルーツ!という甘さで、したたるようなジューシーさ。間違いなく、私史上、ベストなとうもろこしでした♪ そういったグルメスポットも運転手さんが案内してくれ、状況に応じて休憩時間を入れてくれるので、無理なく、効率よく観光できます。
 
仁淀川ではSUPやカヌー、つりなどのアクティビティも楽しめ、キャンプ場やグランピング施設もあるので、このあたりで1泊するのもいいかもしれませんね。夜は信じられないほどの星空が拝めるそう。

写真下:透き通る青が目にまぶしい仁淀ブルーに感動。中津渓谷では渓流を歩きながら七福神巡りもできる。

コバルトブルーや群青色。刻一刻と表情を変える仁淀ブルーに感動

5. 今、なぜ高知なのか? それは日本の原風景がつまっているから

高知の街や海、川には、心の中に描いた日本の夏休みの原風景が広がっていました。市場で地元と人と交流する、清流に足を浸して涼む、旬のとうもろこしを畑の中でほおばるなど、夏ならではの体験もかないます。桂浜で、植物園で龍馬や牧野博士の生きざまに思いをはせるなど、偉人の功績について振り返ることもできます。毎日賑わうひろめ市場や、毎週開催される日曜市もあり、街歩きもエキサイティング! 

これらのスポットへはとさでんやMY遊バス、おもてなしタクシーなどをうまく活用することで、シニア世代との旅の行動範囲もぐっと広がります。今年は全国的に猛暑日が続きました。猛暑で外出の機会が減り、すっかりインドア派になってしまった人も多いと思いますが、高知ですこし遅めの夏休みを企画してみては? 南国・土佐の熱気や人々の温かさが、エネルギーを吹き込み、心が刺激を受け、停滞した毎日が動き出すかもしれません。


写真上:1日遊び、高知の食文化も体験した後は、酔っちゃれセットでお部屋で二次会を楽しむのもいい。


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著者:間庭典子(まにわのりこ)

中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。

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