介護医療院は、長期療養を必要とする要介護高齢者が医療的ケアと介護サービスの両方を受けられる公的な介護施設です。今回は、介護医療院の費用についてご紹介します。

1. 介護医療院の費用相場

介護医療院の費用相場は、以下の通りです。

入居一時金:不要
月額費用:10~20万円 

介護医療院の特徴は、入居一時金などの初期費用がかからない点です。有料老人ホームのように高額な初期費用が必要となる施設とは異なり、入所時にまとまった資金を準備する必要がありません。

さらに、月額費用も比較的低く抑えられているため、民間の施設に比べて経済的な負担が少ないことも特徴です。ただし、介護医療院では医療的ケアが受けられる分、同じ介護保険施設である「特別養護老人ホーム」と比べると月額費用は高めに設定されています。

2. 介護医療院はⅠ型とⅡ型で費用が異なる

介護医療院には、Ⅰ型とⅡ型の2種類があり、入所者の心身状態や医療的ニーズに応じて分けられます。どのタイプに入所するかによって費用が異なるため、その違いを理解しておくことが大切です。

Ⅰ型
・重篤な症状がある方
・ほかの疾患を合併している認知症高齢者 など

Ⅱ型
・Ⅰ型に比べて症状が安定している方


重篤な症状がある方を対象とするⅠ型では、十分な医療や介護を提供できるよう、医師や看護師の数がⅡ型よりも多く配置されています。

そのため、手厚い医療的ケアを受けられる環境が整っているⅠ型は、Ⅱ型に比べて費用が高くなる傾向があります。

3. 月額費用の内訳

介護医療院に入所すると、介護サービス費と居住費、食費、日常生活費が毎月かかります。

【介護サービス費】
介護サービス費は要介護度や居室の種類などによって、以下のように異なります。

●Ⅰ型・サービス費(Ⅰ)の場合(日額)


●Ⅱ型・サービス費(Ⅰ)の場合(日額)


※1単位10円、1割負担の場合(2024年9月時点)

【居住費】
居住費とは、光熱水費や施設管理費などに充当される費用のことです。この費用は、居室の種類によって金額が異なります。

従来型個室:1,728円/日
多床室:437円/日
ユニット型個室:2,066円/日
ユニット型準個室:1,728円/日

なお、介護医療院の居住費には、所得段階に応じた減免措置が設けられています(次章を参照)。

【食費】
食費は、所得に応じて300円〜1,445円/日かかります。外泊などで施設で食事をしなかった日は、食費の請求はありません。

また、食費も居住費と同様に、所得段階に応じた減免措置が設けられています(次章を参照)。

【日常生活費】 
日常生活費とは、理美容代や新聞代、歯ブラシなどの日用品にかかる費用のことです。これらの費用は、毎月の施設利用料とは別に発生するため、事前にある程度の予算を見込んでおくとよいでしょう。

なお、おむつ代については介護サービス費に含まれているため、別途負担は必要ありません。

4. 介護医療院で利用できる助成制度

介護医療院に入所する場合、所得の低い方などを対象として助成を受けられる場合があります。

【特定入居者介護サービス費】
介護医療院などの介護保険施設に入所する際に、年収や預貯金が一定の額以下であれば、居住費や食費が減免される制度です。

対象になると、以下の金額に減額されます。

詳しい条件はこちら(厚生労働省)をご覧ください。

【高額介護サービス費支給制度】
高額介護サービス費支給制度は、1ヶ月に支払った介護サービス費が自己負担上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

自己負担上限額は、世帯所得に応じて5段階で設定されています(所得による限度額はこちら
〈厚生労働省の資料〉をご覧ください)。

この制度では、介護サービス費のみが対象となり、居住費や食費は含まれません。

高額介護サービス費の対象になった場合、自治体から支給申請書が送付されます。この申請書を提出しなければ支給を受けられないため、申請書が届いた際は速やかに手続きを行いましょう。

なお、一度申請すれば、以降は自動的に超過分が払い戻される仕組みとなっています。

【高額介護合算療養費制度】
1年間に支払った医療費と介護サービス費の合計が一定額を超えたとき、所得に応じて自己負担額が減額される制度です。

・対象期間:毎年8月1日〜翌年7月31日までにかかった自己負担額
・対象者:国民健康保険、後期高齢者医療・被用者保険の加入者

世帯内で支払った費用が対象になるため、家族が入院や施設入所により医療費や介護サービス費が高額となった場合に対象となる可能性があります。

所得に応じた上限額は、こちらでご確認ください。


監修者:中谷ミホ

写真(トップ):ピクスタ


この記事の提供元
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著者:倉元 せんり

福祉系大学を卒業後、急性期病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務。現在は、フリーライターとして、福祉にまつわるさまざまな記事を執筆している。福祉制度や社会保障などの知識を分かりやすく伝えるのが得意。
保有資格:社会福祉士・ケアマネジャー

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