筋肉量は20代をピークに、平均して年間で約1%ずつ減少することがわかっています。特にシニア世代では、筋肉量の低下がフレイルを招く原因となります。フレイル予防に欠かせない、高たんぱく・低エネルギーのたらを使った、食物繊維たっぷりの蒸し煮を紹介します。電子レンジで簡単に作れるので、日々忙しいケアラーにおすすめのレシピです。
国は、健康的な食生活を維持するためのガイドラインを示しています。最新の「日本人の食事摂取基準2025年版」では、65歳以上の高齢者のたんぱく質の摂取推奨量は、男性で1日60g、女性で1日50gとしています。1食あたりに換算すると、男性では20g、女性では約16.7gになります。
今回使うたらには、100gあたり約17.6gのたんぱく質が含まれます(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より、まだら(生)の数値)。スーパーなどで売っているたらの切り身は一般的に1切れ100g程度なので、たんぱく質の摂取量の目安にするとよいでしょう。
淡泊な味が特徴のたらは、旬を迎える12月から2月にかけて、特に栄養価が高まり、たんぱく質のほか、カルシウムの吸収を促進させるビタミンDも豊富に含まれます。さらに脂がのっているため、味が濃厚になり、甘みも増します。
作り方はとても簡単です。旬のたらに、白菜やにんじん、しめじ、しょうがをのせて電子レンジで加熱するだけ。しょうががピリッと効いた蒸し煮で、旬のたらをおいしくいただきましょう。
材料(2人分)
たら………2切れ
白菜………1枚
にんじん………¼本
ぶなしめじ………50g
しょうが………1 かけ
塩………少々
酒………大さじ1
A
ぽん酢しょうゆ………大さじ1
すり白ごま………小さじ1
エネルギー 109kcal
塩分 1.4g
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:松尾みゆき
①たらに塩を振る。白菜とにんじんは短冊切り、しめじは小房に分ける。しょうがの半分
はせん切りにし、残りはみじん切りにする。
②耐熱皿に白菜とにんじんを入れてたらをのせ、その上にしめじとせん切りのしょうがをのせ、酒を回しかける。ラップをふんわりかけ、電子レンジ(600W)で4~5分加熱する。
③Aとみじん切りのしょうがを混ぜる。
④器に②を盛り、③をかける。
著者:松尾みゆき
健康と料理をテーマに食全般のコーディネーターとして書籍や雑誌、テレビ、Web、広告、企業のアドバイザーなどを中心に活動中。簡単でわかりやすいヘルシーメニューやボリュームのある低カロリーメニュー、栄養バランスを考えた食事、減塩レシピ、生活習慣病の方向けの食事、子供が食べやすく簡単に作れる離乳食や幼児食、さわやかなスタイリングが得意。生活習慣病予備軍の方向けの特定保健指導も定期的に実施中。食品メーカーでメニュー開発をしていた経験を活かし、アドバイザーをしている企業も多数。