中華料理の定番メニューの1つ、油淋鶏(ユーリンチー)は、カリッと揚げた鶏もも肉に甘酸っぱいタレをたっぷりとかけた、香ばしさ&ジューシーさが魅力の1品ですが、エネルギーが高くなりがちです。今回は、エネルギーを抑えながら、おいしさを損なわない油淋鶏を紹介します。
油淋鶏の「淋」の字は、「注ぐ」や「かける」という意味があり、鶏肉に油をかけて調理することを表しています。油は特にエネルギーが高く、1gあたり約9kcalもあり、これは糖質やたんぱく質の約2倍のエネルギー量になります。
ここでは、エネルギーが高くなりがちな中華料理をヘルシーにおいしく作るコツを紹介します。まず、主役となる鶏肉は、鶏もも肉の代わりにささみ肉を使用します。鶏もも肉は濃厚でジューシーですが、高脂肪で高エネルギー。それに対し、ささみ肉は低脂肪で低エネルギーなうえ、肉質がやわらかいため、咀しゃくが難しい高齢者でも安心して召し上がっていただけます。
さらに、調理法にもエネルギーを抑えるための工夫を加えます。通常は鶏もも肉を揚げる際に多くの油を使いますが、エネルギーダウンのために、少量の油でフライパンで焼きます。これにより外はパリっと、中はジューシーに仕上がり、揚げる手間も省けるので、手軽に作ることができるのも魅力です。砂糖の代わりに甘さ控えめのタレを使うことで、おいしくエネルギーダウンができます。
材料(2人分)
鶏ささみ肉………4本
たまねぎ………1/8個
しょうが………1/2かけ
小ねぎ………2本
A
酢………大さじ1
しょうゆ………小さじ2
ごま油………小さじ1/2
赤唐辛子(輪切り)………1/2本分
塩・こしょう………各少々
片栗粉………小さじ4
サラダ油………大さじ1
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 197kcal
塩分 1.3g
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:松尾みゆき
①ささみは筋があれば取り、1本を4等分にそぎ切りにし、塩・こしょうを振る。
②たまねぎとしょうがはみじん切り、小ねぎは小口切りにし、Aと混ぜる。
③①に片栗粉をまぶす。フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、両面とも焼く。
④器に③を盛り、②をかける。
著者:松尾みゆき
健康と料理をテーマに食全般のコーディネーターとして書籍や雑誌、テレビ、Web、広告、企業のアドバイザーなどを中心に活動中。簡単でわかりやすいヘルシーメニューやボリュームのある低カロリーメニュー、栄養バランスを考えた食事、減塩レシピ、生活習慣病の方向けの食事、子供が食べやすく簡単に作れる離乳食や幼児食、さわやかなスタイリングが得意。生活習慣病予備軍の方向けの特定保健指導も定期的に実施中。食品メーカーでメニュー開発をしていた経験を活かし、アドバイザーをしている企業も多数。