毎日の快眠のためには、適度な運動や生活習慣の改善のほかに、栄養面にも気を配ることが大切です。心の健康や情緒の安定に重要な役割をもつ成分や、快眠をサポートする具材をたくさん使った、寒くなるこれからの季節にもぴったりなミルクスープを紹介します。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンをご存じですか? トリプトファンは体内に入ると精神安定作用のあるセロトニンというホルモンを作るのに必要な材料になります。このセロトニンは、夜になると酵素の働きによって睡眠ホルモンであるメラトニンに変わるのです。
快眠のためには、セロトニンの材料になるトリプトファンと、セロトニン合成をサポートするビタミンB6を意識してとるとよいでしょう。また、カルシウムには精神安定作用があり、グリシンは深部体温を低下させて睡眠へいざなう効果が期待できます。
ほたてにはグリシンが、牛乳などの乳製品にはカルシウムやトリプトファンが、にんにくやブロッコリー、さつまいもにはセロトニン合成をサポートするビタミンB6が含まれています。
材料(2人分)
あさり(殻付き)………100g
蒸しほたて………60g
さつまいも………100g
たまねぎ………¼個
ブロッコリー………⅓株
にんにく………1かけ
粗びき黒こしょう………少々
A
水………200mL
酒………大さじ1
洋風スープの素………小さじ½
B
牛乳………200mL
しょうゆ………小さじ1
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 196kcal
塩分 1.5g
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:松尾みゆき
① あさりは砂抜きをした後、殻をこすり合わせながら流水でしっかりと洗う。
② さつまいもは皮付きのまま1㎝厚さの半月切り(大きければいちょう切り)にして水
に10分ほどさらす。ラップで包み、電子レンジ(600W)で1分30 秒ほど加熱する。
③ たまねぎは3㎝角に切り、ブロッコリーは小房に分ける。にんにくは薄切りにする。
④ 鍋にA、あさり、たまねぎ、にんにくを入れて中火で熱し、ふたをする。あさりの口
が開いたら、ブロッコリー、ほたて、さつまいもを加えて3分ほど煮る。Bを加え、ひ
と煮立ちしたら火を止める。
⑤ 器に盛り、粗びき黒こしょうを振る。
シニアのためのひと工夫:
シニア向けには、野菜は軟らかくなるまで煮ましょう。あさりとほたては噛み切りづらい場合があるので、骨を取った白身魚や鮭などに変更するのもおすすめです。
著者:松尾みゆき
健康と料理をテーマに食全般のコーディネーターとして書籍や雑誌、テレビ、Web、広告、企業のアドバイザーなどを中心に活動中。簡単でわかりやすいヘルシーメニューやボリュームのある低カロリーメニュー、栄養バランスを考えた食事、減塩レシピ、生活習慣病の方向けの食事、子供が食べやすく簡単に作れる離乳食や幼児食、さわやかなスタイリングが得意。生活習慣病予備軍の方向けの特定保健指導も定期的に実施中。食品メーカーでメニュー開発をしていた経験を活かし、アドバイザーをしている企業も多数。