離れて暮らす親の健康や安全が心配で、何か良い対策はないかと探している方も多いのではないでしょうか。特に高齢になると、ちょっとしたことで体調を崩したり、思わぬ事故に繋がったり、認知症の進行が気になったりと、心配事が尽きません。
そこで本記事では、離れて暮らす親をサポートするおすすめの「見守りグッズ」や「見守り機器」を詳しくご紹介します。これらを取り入れることで、親の安全を確保しつつ、家族の精神的な負担を軽減できる可能性があります。ぜひ、参考にしてください!
見守りグッズの主な機能は以下のようなものがあります。
1. 緊急通報機能
転倒や急病などの緊急事態に直面した際、すぐに助けを求めることができる機能です。ボタンを押すだけで通報できるものもあり、高齢者でも簡単に操作できます。
2. 位置情報追跡機能
GPSを利用して高齢者の居場所をリアルタイムで確認できる機能です。家族や介護者は、アプリや専用端末を通じて位置情報を把握できます。
3. 健康管理機能
心拍数や血圧などの健康データを測定し、異常値を検知するとアラートを送る機能です。家族は、測定したデータをインターネットを通じてスマホやパソコンで簡単に確認できます。
4. 異常検知機能
転倒や長時間動かないなどの異常をセンサーが感知し、家族や介護者に通知する機能です。一人暮らしの高齢者に万が一の問題が起こったときも、すぐに相談や電話での連絡がしやすくなります。
5. コミュニケーション機能
高齢者と家族、介護者が簡単に連絡を取れる機能です。音声通話やビデオ通話が可能なデバイスを利用することで、離れて暮らす家族と気軽に交流できます。
どんなタイプの商品があるのか、具体例をご紹介します。
見守りグッズ・家電
●電球タイプ:人感センサーを搭載した電球があり、動きを感知すると家族に通知が送られる仕組みです。これにより、高齢者の動きが把握でき、異常があればすぐに対応できます。
●冷蔵庫:特殊なセンサーが搭載された冷蔵庫は、開閉状況をモニタリングし、家族に通知する機能を搭載しています。家族が親の食事リズムや安否を確認するのに役立ちます。
●カメラ:高齢者の生活空間に設置するカメラは、リアルタイムで映像を確認できるため、離れて暮らす家族は安心感を得られます。
●ペンダント型:緊急時にボタンを押すことで、家族やサービス提供者に通報できる見守りグッズです。高齢者でも簡単に操作ができるため、緊急時に迅速な対応が可能になります。
●乾電池式の見守りグッズ:高齢者が使用する家電などに入れるだけと簡単に設置でき、家電の使用状況などを見守る側がアプリなどで確認できる乾電池式の見守りグッズもあります。
見守りサービス
●訪問型サービス:介護スタッフが定期的に高齢者の自宅を訪問し、健康状態や生活状況を確認するサービスです。
●オンライン型サービス:スマホやタブレットを利用して、遠隔で高齢者の安否を確認するサービスです。家族が離れていても、リアルタイムで状況を把握できます。
●遠隔監視型サービス:センサーやカメラを使用して、高齢者の生活を遠隔で監視するサービスです。異常があった場合には、すぐに家族や介護サービス事業者に通知されます。
●郵便局の見守りサービス:郵便局が提供する見守りサービスです。定期的に高齢者の自宅を訪問して安否を確認し、必要に応じて家族に連絡を取ります。
見守りグッズは、親の生活スタイルや家族のニーズに合うものを選ぶことが大切です。
ポイント①安全で安心なもの
見守りグッズを選ぶ際には、まず安全性を重視しましょう。特に家電製品やカメラの場合、火災や故障などのリスクが低い信頼できるメーカーの商品を選ぶことが重要です。また、データ通信を行う製品では、プライバシー保護の対策がしっかりしている製品を選びましょう。
ポイント②親の生活に合ったもの
高齢者の生活スタイルに合った商品を選ぶことも大切です。例えば、夜間の歩行を安全にするセンサーライトや、冷蔵庫の開閉を記録するセンサーは、日々の生活をサポートするのに役立ちます。また、スマートフォンやタブレットと連動して、簡単に操作や確認ができる商品も便利です。
ポイント③コスパの良いもの
費用対効果も選択の大切なポイントです。初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮して選びましょう。例えば、電池式の製品よりも充電式の方がランニングコストを抑えられる場合があります。また、月額料金が発生するサービスを利用する場合は、料金プランを比較して無理のない範囲で選ぶことが重要です。無料で試せる期間が用意されているサービスもあるので、気になるものがあれば検討してみると良いでしょう。
ポイント④アフターサポートがしっかりしているもの
購入後のサポートが充実している商品を選びましょう。特に初めて見守りグッズを利用する場合、設定やトラブル対応が簡単であることが購入後の安心感につながります。アフターサービスの制度が整っているメーカーの商品であれば、安心して使い続けることができるでしょう。
見守りグッズを導入する際には、以下の点を考慮しましょう。
1.親の同意を得る
見守りグッズを導入する際には、まず高齢者本人の同意を得ることが大切です。事前に製品の目的や使い方を丁寧に説明し、疑問や不安を解消することで、安心して受け入れてもらえるようになります。納得した上で使用を始めると、導入後のトラブルを防げるでしょう。
2.比較検討する
見守りグッズにはさまざまな製品があるため、複数の製品を比較し、高齢者の生活環境やニーズに最も適したものを選ぶことが重要です。例えば、室内カメラやセンサー付きの製品では、機能性や価格だけでなく、介護者側にとっての利便性や操作性も考慮しましょう。
3.設置場所や使用方法を考慮する
見守りグッズを選ぶ際には、設置場所や使用方法を考慮することが重要です。例えば、狭いスペースにはコンパクトなデバイスを、大きなリビングには広範囲をカバーできるカメラを設置すると効果的です。
4.家族全員が安心できる選択をする
高齢者向け家電や見守りグッズを選ぶ際には、家族全員が安心して使える製品を選ぶことが大切です。家族間で連携して見守りを行うことで、高齢者本人も「見守られている」という感覚だけでなく、「家族の一員として支えられている」という安心感も得られます。
以上のポイントを押さえることで、見守りグッズの導入がよりスムーズに進むでしょう。
見守りグッズ導入後は、以下のような工夫をすることでその効果を最大限に引き出せます。
・定期的に親と話し合う
見守りグッズの使い方や効果について親と共有し、意見を聞きましょう。これにより、親の不安を軽減できます。
・データを家族で共有する
アプリや通知機能を利用して、親の状況を家族間で共有することで、協力して見守りができます。
・必要に応じて見直す
親の健康状態や生活スタイルの変化に応じて、見守りグッズやサービスを見直すことも大切です。
メリット:日々の安心感につながり、親子のつながりを強化する
見守りグッズを導入する最大のメリットは、親や家族が安心感を得られることです。例えば、転倒センサーや通知機能を備えたカメラを利用すると、異常が発生した際にすぐ対応することができます。また、生活リズムを共有することで、日常の様子を家族が把握しやすくなります。
さらに、見守りグッズをきっかけに家族間のコミュニケーションが増えることもメリットです。日々の状況報告やアプリでの情報共有は、親子間のつながりを強化します。単なる見守りではなく、親子間の心の距離も縮めることができるでしょう。
デメリット:費用が高い、設置に手間がかかる
一方で、見守りグッズにはいくつかのデメリットもあります。まず、初期費用が高額になるケースがあり、さらに月額料金やメンテナンス費用が発生する製品も少なくありません。また、一部の製品では設置に工事が必要な場合もあるため、時間や手間がかかることもあります。
さらに、見守られる高齢者が「監視されている」と感じてしまうこともデメリットといえるでしょう。プライバシーに配慮しながら、製品選びと使用範囲を家族でしっかりと話し合うことが大切です。
1. みまもりCUBE
【特徴】
インターネット環境が不要で、コンセントに挿すだけで使用できます。スマホと連携しているので、家族がリアルタイムで親の様子を確認しつつ、双方向の音声コミュニケーションも可能です。ベッドからの離床を検知する機能や画像付きメール通知機能も搭載されています。
【おすすめポイント】
設置が簡単で、すぐに使い始められます。操作もシンプルなので、高齢の方でも安心して利用できます。
2. TP-Linkネットワーク Wi-Fi カメラ
【特徴】
最大4台のカメラを管理できるので、複数の部屋をカバーできます。映像はスマホで確認することができます。
【おすすめポイント】
Wi-Fi環境が必要ですが、安価な買い切り型のため、コストパフォーマンスが高く、複数の部屋を見守りたい場合に最適です。
3. みてねみまもりGPS
【特徴】
高精度のGPS端末で、屋内外の位置情報が把握できます。外出が多い親の移動状況を把握するのに役立ちます。カメラやボタンがなく、バッグに入れるだけで利用できます。
【おすすめポイント】
カメラで監視されるのが苦手な高齢者の方も安心して利用できます。
4. MANOMA 親の見守りセット
【特徴】
室内カメラとセンサーが連携した見守りグッズです。室内カメラで親の様子をリアルタイムで確認できるほか、開閉センサーで生活リズムを把握できます。録画機能も付いています。
【おすすめポイント】
自宅で過ごす時間が長い親の生活リズムを把握し、異常発生時に迅速に対応できます。
3. あんしんウォッチャー (au HOME)
【特徴】
衛星、携帯基地局、Wi-Fiを活用したGPS端末です。到着・移動アラーム機能が付いています。
【おすすめポイント】
外出先での親の位置や移動状況をリアルタイムで把握できます。
次に、一人暮らしの親御さん向けの見守りグッズを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
・異常を検知するグッズ
一人暮らしの方には、転倒検知機能付きの見守りカメラや、安否確認ができるスマートドアセンサーがおすすめです。異常を検知すると、家族へ即座に通知するため、親が助けを求められない場合でも迅速な対応が可能となります。
・長持ちする電池タイプのグッズ
長寿命バッテリーを搭載した商品は、一人暮らしの親に最適です。頻繁な電池交換が不要なため、手間がかからず長期間使用できます。電池切れによる機能停止の心配も少なく、安全性が確保できます。
・親の生活リズムを把握するグッズ
冷蔵庫の開閉センサーや電気ポット型センサーなど、親の生活リズムを確認する製品もおすすめです。センサーが親の行動データを記録し、どの時間帯に何をしているかを確認できます。異常が発生した際には、家族にアラートが送られるため、すぐに確認や必要な対応が可能です。
・高齢者にも使いやすいグッズ
無理なく使い続けられる見守りグッズを選ぶことも重要です。操作が複雑だと、せっかく導入しても使わなくなってしまう可能性があります。そのため、ボタンが大きく表示が見やすいなど、直感的に操作できる製品を選ぶことが大切です。また、音声ガイダンスで操作手順を案内してくれる機能が付いていると、操作に不慣れな方でも安心して使うことができるでしょう。機能だけでなく「使いやすさ」を重視することも大切です。
離れた親を見守るためのグッズを選ぶ際には、以下のポイントを最終的に確認することが重要です。
・親の生活スタイルに合った機能がある
転倒検知センサーやGPS追跡機能など、親の日常生活やニーズに適した機能を持つ商品を選びましょう。
・設置や設定が簡単
親自身でも扱いやすい設計か、家族がサポートしやすいかを確認します。特に初心者向けのヘルプサービスが充実している製品がおすすめです。
・続けられる範囲のランニングコスト
月額料金や電池交換費用など、長期的に使用する際の費用も重要な判断材料です。一定期間だけ無料体験できるサービスなども検討材料に含めましょう。
・信頼性の高いメーカーのものかどうか
サポート体制や製品レビューを確認し、信頼できるブランドを選びましょう。
見守りグッズの活用は、離れて暮らす親の安全を確保するだけでなく、親子の絆を深めるきっかけにもなります。今回の記事を参考に、最適な見守りグッズを選んでみてはいかがでしょうか。
著者:中谷 ミホ
福祉系短大を卒業後、介護職員・相談員・ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。現在はフリーライターとして、介護業界での経験を生かし、介護に関わる記事を多く執筆する。
保有資格:介護福祉士・ケアマネジャー・社会福祉士・保育士・福祉住環境コーディネーター3級