シニアケアの大切さを学ぶ体験型アクティビティ ｜カンドゥー幕張での体験レポート

この日の参加者は、７～10歳の小学生の女の子3人と3歳の男の子の計4人。3歳の男の子には、お父さんが付き添い、サポートをしてくれました。MySCUEのブースに到着すると、対応してくれたスタッフ＝マイコさんが元気に挨拶。そして彼女に促され、まずはMySCUEのテーマカラーである黄色のコスチューム（ポロシャツ）に着替えてテーブルの周りに集合。マイコさんから今回のミッションについての説明を受けました。

アクティビティの内容は、「カンドゥー内を巡り、シニア（お年寄り）にとって危険な場所がないかをチェックする」というもの。これは、カンドゥーにお父さんを連れてくるエドガー教授からの調査依頼という設定になっています。そこで、子どもたちはチェックリストを抱えながら、グループで探索を進めるべく、ブースの外へ出ます。

写真上：今回アクティビティに参加してくれた4人。左より、まりなちゃん（10歳）、りいさちゃん（８歳）、れん君（３歳）、ねねちゃん（７歳）。

最年少の3歳の男の子のペースに合わせ、マイコさんが先導しながら、ゆっくりと探索がスタートしました。歩き始めるとすぐに、子どもたちはつるつるして滑りやすい箇所や、凸凹してつまずきやすそうな場所、柱やポールなどの障害物に「ここだ！」「これは？」と気づき、そのたびにチェックシートに印を付けていきました。

また、危険な場所だけでなく、お年寄りにとって便利な場所や快適な休憩スペースも見つけてゆきました。疲れた時に休憩できるベンチ、食事を楽しめるテーブル席などの場所もチェックリストに記入していきます。カンドゥーは実際にアクティビティに取り組む子供たちだけでなく、付き添ってきた家族が休むスペースも豊富にある、過ごしやすい場所だということがよくわかります。

カンドゥー幕張内には子ども向けの楽しいアクティビティがたくさんありますが、MySCUEのアクティビティに参加している間、子どもたちは目移りせず、その目的に集中して楽しんでくれました。こうして約15分ほどの探索を終えた後、再びMySCUEのブースに戻りました。

この日は、パークの通常営業が終わった後の時間帯に参加させてもらったため、館内にはスタッフ以外の人はほとんどおらず、子どもたちはのびのびと歩くことができました。それだけに、危ない箇所はより発見しやすかったかもしれません。通常の営業時間内には多くの来園者がいるため、人の多さもシニアにとっての歩きづらさになるかもしれません。

ブースに戻ると、マイコさんがリードして、子どもたちが見つけた危険な場所や、安全な場所を一緒に確認しました。子どもたちが発見したたくさんの危険箇所や過ごしやすい場所は、MySCUEに相談を寄せた「エドガー教授」にマイコさんから報告され、教授からは電話で感謝の言葉が送られました。その後、マイコさんが子どもたちに、年齢を重ねると体のどんな場所がしんどくなるのか、またそんなお年寄りたちをサポートする人にも苦労があることなどをわかりやすく説明してくれました。

高齢者が抱える体の不調やそれゆえの困りごとというと、お子さんの年齢によってはすぐには理解が難しいかもしれません。しかし、実際にこうした場所でそのことを考え、行動する体験を通じて、高齢者をはじめとした周囲の人々への思いやりの大切さが、子どもたちの心に残る貴重な経験となったのではないかと思います。

アクティビティが終わると、子どもたちは成果物（歯ブラシをモチーフにした消しゴム）や、カンドゥーで使える紙幣をもらい、嬉しそうな表情を見せていました。感想を聞いてみると、参加した子どもたちは皆、「面白かった！」と答えてくれました。

今回参加した子どもたちの祖父母は50～60代の元気な世代が多いため、シニアならではの困りごとを実感することは少ないかもしれません。しかし、アクティビティ終了後にマイコさんに話を聞いたところ、参加者の家族からは「MySCUE」やシニアケアについての質問が多く寄せられたそうです。今は身近にシニアの方の生活に特別な不安がないものの、将来ケアをする立場になることを見越して、少なからず不安を抱えている様子が伺えました。

「MySCUE」を通じて、子どもたちをはじめとする家族全体がシニアケアの重要性を考え、意識を高めるきっかけとなれば、と思っています。

写真上：カンドゥー幕張　MySCUEシニアケア相談員アクティビティのブース

※カンドゥー幕張公式HP　https://www.kandu.co.jp/