牛肉のサイコロステーキを“ヘルシー”に食べられるレシピをご紹介します。脂身の少ない赤身肉に、低エネルギーで食物繊維の豊富なこんにゃくを加えて嵩増しすることで、満足感はそのままに、カロリーをしっかり抑えられます。肉のうま味を溶け込ませたしょうゆだれが食欲をそそり、思わず箸が進みます。
脂質を抑えたいときの牛肉料理のポイントは、部位選びと組み合わせの工夫です。今回は、脂身の少ない赤身のもも肉を使い、さらにこんにゃくで嵩増しすることで、ボリューム感がありながらカロリーをしっかり抑えた一皿に仕上げています。
こんにゃくは、ほとんどが水分の超低エネルギー食材。こんにゃくに含まれる水溶性食物繊維「グルコマンナン」は、水分を含んでふくらみ、腹持ちが良くなるのが特徴です。また、糖や脂質の吸収をおだやかにする作用もあり、食後の血糖値やコレステロールの管理にも役立つとされています。
食感と味わいをより楽しむために、こんにゃくには下ゆでをして格子状の切り込みを入れ、調味料がしみ込みやすい状態にします。牛肉と一緒に炒めれば、食感も香ばしさもぐっと引き立ち、知らずに食べるとこんにゃくとは気づかないほど自然に仕上がります。
ベビーリーフを添えれば、野菜も一緒にとれる栄養バランスのよい主菜に。食べごたえとおいしさをしっかりキープしながら、エネルギーはしっかりコントロールできる、“納得おかず”です。
材料(2人分)
牛もも肉……120g
こんにゃく……180g
ベビーリーフ……25g
にんにく……1かけ
サラダ油……大さじ1/2
A
塩・粗びき黒こしょう……各少々
B
たまねぎのすりおろし・酢……各大さじ1
しょうゆ・みりん……各小さじ2
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています
エネルギー 161kcal
塩分 1.3g
料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子
①牛肉は3㎝角くらいに切り、10分ほど室温におく。にんにくは縦半分に切って芯を取り、薄切りにする。
②こんにゃくは両面に格子状の切り目を入れ、2~3㎝角に切る。小鍋に入れてかぶるくらいの水(材料外)を加え、強火で3分ほどゆでてアクを抜き、水気をきる。
③フライパンにサラダ油と①のにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくが薄く色づいたら取り出す。
④①の牛肉にAをふり、③のフライパンに入れて②を加え、焼き色がついたら返しながら中火で焼く。火が通ったら器に盛り、ベビーリーフを添える。
⑤④のフライパンにBを入れ、ひと煮立ちさせてステーキにかけ、③のにんにくを散らす。
シニアのためのひと工夫:噛む力に自信のない方は、牛肉はできるだけ薄く切るか、または牛薄切り肉を使うと安心です。こんにゃくも同様に薄めに切ると、より食べやすくなります。また、付け合わせには温野菜を取り入れるのもおすすめです。
著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家
大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。