ゴーヤーチャンプルーに使われる肉は豚肉が定番ですが、今回は鶏ささみを使って、脂質を抑えたヘルシーに仕上げます。ゴーヤーとささみはどちらも噛み応えがあり、長ねぎのシャキシャキとした食感も加わって、食べ応えは十分。黒こしょうが効いた、食欲をそそる一品です。
ゴーヤーには、体調管理に役立つ栄養素が多く含まれています。なかでも注目したいのがビタミンCで、1本あたりレモン約3個分以上の量が含まれています。
ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、ゴーヤーは果皮が硬いため、加熱しても栄養が失われにくく、炒め物にしてもその多くを摂取できます。紫外線による肌のダメージを抑えるほか、メラニンの沈着を防ぎ、コラーゲンの生成を助ける働きもあります。
また、ゴーヤーの特有の苦味成分である「モモルデシン」には、胃腸を刺激して消化液の分泌を促す作用があり、粘膜の状態を整える効果も期待されています。これにより、食あたりの予防にもつながります。さらに、血糖値の急上昇を抑える働きもあるといわれています。
鶏ささみは、高たんぱく・低脂肪で消化にもやさしく、体力が落ちやすい時期にもぴったりのたんぱく源です。長ねぎに含まれる香り成分「アリシン」には、抗酸化作用に加え、血中のコレステロール値を下げる働きがあり、動脈硬化などの予防にも役立つといわれています。
これらの食材を組み合わせることで、栄養バランスがとれ、満足感のある頼れる主菜に仕上がります。
鶏ささみ……3本(180g)
ゴーヤー…… 1/2本(100g)
長ねぎ……1/2本
酒……小さじ2
塩……少々
片栗粉……小さじ2
粗びき黒こしょう……少々
サラダ油……大さじ1
A
塩……小さじ1/2
酒……大さじ1
粗びき黒こしょう……少々
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
エネルギー185kcal
塩分 1.3g
料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子
①ささみは筋を除き、ひと口大のそぎ切りにする。酒と塩をもみ込み、片栗粉をまぶす。
②ゴーヤーは縦半分に切って種とワタを除き、斜め5㎜幅に切る。長ねぎは斜め切りにする。
③フライパンにサラダ油大さじ1/2を入れて中火で熱し、①を並べ、両面に焼き色をつけて一度取り出す。
④③のフライパンに残りのサラダ油を加え、②を入れて焼きつけるように1~2分炒める。ゴーヤーが色鮮やかになったら③のささみを戻し、Aを振って炒め合わせる。
⑤④を器に盛り、仕上げに黒こしょうを振る。
シニアのためのひと工夫:
ゴーヤーの硬さが気になるときは、炒める前に電子レンジで加熱するのもおすすめ。ゴーヤー100gの場合、電子レンジ(600w)で1分加熱してから炒めましょう。
著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)
料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)
女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の
現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。