尿酸値ダウンを目指す、ワンタンの“ワザあり”レシピをご紹介します。ひき肉の代わりに低エネルギーの豆腐を使い、つめたく冷やしてさっぱりと仕上げます。もちもちとした皮の食感と、ひじきや長ねぎなどの具材を組み合わせることで、食べ応えと風味のある一品に。香ばしい濃厚ごまダレにつけて、おいしくいただきましょう。
高齢になると腎機能が徐々に低下し、尿酸の排せつがうまくいかなくなることで、尿酸値が高くなる傾向があります。尿酸が血中で過剰になると、結晶化して関節にたまり、痛風などの炎症を引き起こすこともあります。
このようなリスクを抑えるためには、摂取エネルギーを適正に保ち、「尿をアルカリ化する食品」を日々の食事に取り入れることが大切です。海藻、野菜、いも類などがその代表で、今回のレシピではひじきを使います。尿がアルカリ性に傾くと、尿酸が尿に溶けやすくなり、体外に排出されやすくなります。
また、ひき肉の代わりに豆腐を使うことで、エネルギーをカットします。ひじきと豆腐にはしょうがの風味がほどよく効き、練りごまのコクと酢のさっぱり感を合わせたタレとも相性抜群。
ワンタンはのどごしが良いので、美味しくいただけます。ゆで上がったら氷水でしっかり冷やしましょう。
ワンタンの皮……12枚
木綿豆腐……120g
芽ひじき……大さじ1
長ねぎ……1/4本
しょうが……1/2かけ
チンゲン菜……1株
片栗粉……小さじ2
塩……少々
A
白練りごま……大さじ2
砂糖……大さじ1
B
酢……大さじ1 1/2
しょうゆ……大さじ1/2
水……大さじ1
トウバンジャン……小さじ1/4
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー258kcal
塩分 1.2g
料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子
①豆腐はキッチンペーパーに包んで重しをのせ、2/3程度の量になるまでしっかり水気を切る。
②ひじきはたっぷりの水に浸けて戻し、水気を切る。耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で30秒加熱し、冷ます。長ねぎとしょうがはみじん切りにし、片栗粉をまぶす。
③ボウルに①、②、塩を入れ、豆腐をつぶしながらよく混ぜる。
④鍋にたっぷりの湯(材料外)を沸かし、縦4つに切ったチンゲン菜をゆで、冷水にとる。ワンタンの皮に12等分した③をのせ、皮の縁に水をつけて三角形に包み、包んだものから湯に入れる。浮いてきたら氷水にとって冷やす。
⑤ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせ、合わせたBを少しずつ加えて溶きのばす。
⑥水気を切った④を器に盛り、⑤のタレをかけていただく。
シニアのためのひと工夫:
付け合わせのチンゲン菜は、繊維が強く、噛み切れない方も多いので、食べやすい大きさに切って盛りつけるとよいでしょう。また、小松菜やほうれん草などの別の青菜や、ゆでて美味しいお好きな野菜と一緒に楽しんでみてください。
著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)
料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)
女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の
現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。