スパイシーな香りが食欲をそそるカレーライス。食欲がない時でも「カレーなら……」という方も少なくないのではないでしょうか。今回は、こんにゃくとしらたきを活用した、ひと味違った“ヘルシーカレーライス”をご紹介します。
内臓脂肪が増えると、生活習慣病のリスクが高まり、心血管や代謝に大きな負担がかかります。とくに加齢とともに基礎代謝が低下し、内臓脂肪がつきやすくなるため、日頃から食事内容に気をつけることが大切です。なかでも、余分なエネルギーや糖質の摂り過ぎは内臓脂肪の蓄積につながりやすいため、抑えるための工夫が重要です。
そこでおすすめしたいのが、こんにゃくとしらたきを使った今回のカレーライス。ルーには、ひき肉の約2倍の量のこんにゃくを使い、ライスには細かく刻んだしらたきを加えることで、エネルギーと糖質をしっかり抑えています。
こんにゃくに含まれる水溶性食物繊維「グルコマンナン」には、脂質や糖の吸収を緩やかにする働きがあり、内臓脂肪の蓄積を防ぐサポート効果が期待できます。また、胃の中で水分を吸収してふくらむため、少ない量でも満腹感を得やすいのも特長です。
下ゆでしてから使うことで、こんにゃく特有の臭いも和らぎ、スパイスや香味野菜との相性も良くなります。
たまねぎやセロリなどの香味野菜を活用すれば、風味だけでなく食感も豊かに。ひき肉を使っても、1食あたりのエネルギーは300kcal台に抑えられるのもうれしいポイントです。
内臓脂肪が気になる方は、我慢し過ぎず食事を楽しめるよう、この“裏技”レシピを取り入れてみませんか?
こんにゃく……180g
合いびき肉……100g
たまねぎ……1/2個
セロリ……1/2本
ピーマン……2個
カレー粉……大さじ1
塩・こしょう……各少々
サラダ油……大さじ1
A
にんにく(みじん切り)……1かけ分
しょうが(みじん切り)……1/2かけ分
B
トマト缶(カットタイプ)……1/2缶(200g)
トマトペースト……大さじ1
洋風スープの素(顆粒)…小さじ1
塩……小さじ1/2
こしょう……少々
ローリエ……1枚
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
〈カレー〉
エネルギー132kcal
塩分 1.3g
〈ライス〉
エネルギー181kcal
塩分 0g
料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子
〈カレー〉
①こんにゃくは5㎜角に切る。鍋に入れてかぶるくらいの水を加えて中火で熱し、沸騰したらざるに上げる。
②たまねぎ、セロリ、ピーマンはみじん切りにする。
③フライパンにサラダ油、Aを入れて中火で炒める。香りがたったら、たまねぎとセロリを加えて炒め、野菜がしんなりしたらひき肉を加え、肉の色が変わるまで炒める。
④③に①、ピーマンを加えて炒め、カレー粉をふり入れる。香りがたつまでよく炒めたら、Bを加えて混ぜ、ときどきかき混ぜながら弱火で10~15 分煮る。
⑤汁気がほぼなくなったら、塩、こしょうで味をととのえる。
〈しらたきライス〉
米2合を洗って炊飯器の目盛りどおりに水を入れ、下ゆで(上記①と同じ)してみじん切りにしたしらたき(150g)と、黒粒こしょう小さじ1/2 を加えて炊く(約6人分)。
シニアのためのひと工夫:
•こんにゃくはしっかり下ゆでして、炒めるのがポイント。臭みが和らいで食べやすくなります。
•今回はエネルギーを抑えるレシピとしてご紹介しますが、栄養不足が気になるという方は、こんにゃくを合い挽き肉に置き換えて(全体で合い挽き肉280g)作ってみるのも良いでしょう。
著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)
料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)
女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の
現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。