食材に溶き卵をつけてソテーするピカタは、豚肉や鶏肉で作るのが一般的ですが、今回はえび、こんにゃく、ブロッコリーに置き換えて、エネルギーをぐっと抑えます。夕食のおかずとしてはもちろん、もう一品欲しい時にも重宝します。
「早食いは肥満のもと」とよく言われますが、実際に国民健康・栄養調査でも、肥満の人ほど「食べるのが早い」と答えた割合が高く、「遅い」と答えた割合は少ないことがわかっています。
では、なぜ早食いが肥満につながるかご存じでしょうか。食事をとると血糖値が上がり、それによって満腹中枢が刺激され、満腹感を得られます。しかし、食べる速度が早過ぎると、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまい、結果的に摂取エネルギーが過剰になってしまうのです。
そこで今回は、噛む回数が自然と増えて早食い防止にもつながる、こんにゃくとえびを使ったピカタをご紹介します。ピカタといえば肉が定番ですが、こんにゃくの弾力とえびのぷりっとした食感がしっかりとして噛みごたえをアップさせ、食べ過ぎの予防にも効果的です。
さらに、こんにゃくは胃の中で水分を吸って膨らむため、少量でも満足感を得やすいのもうれしいところです。
卵液には粉チーズとパセリを加えて、淡白な具材にコクと彩りをプラスします。栄養バランスにも配慮した、満足感のある一品です。
調理の際は、フッ素樹脂加工などの焦げつきにくいフライパンを使うことで、衣がはがれずきれいに仕上がります。
材料(2人分)
えび……大4尾
こんにゃく……100g
ブロッコリー……80g
水菜……50g
塩・こしょう……各少々
しょうゆ……小さじ1/2
小麦粉……大さじ1
サラダ油……小さじ2
A
溶き卵……2個分
粉チーズ……大さじ1
パセリ(みじん切り)……大さじ1
塩……小さじ1/4
こしょう……少々
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー197kcal
塩分 1.3g
料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子
著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)
料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)
女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の
現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。