石川県在住の漫画家・イラストレーター、なとみみわさんは、10年間にわたる義母の介護を経験。53歳で故郷の能登町にUターンし、現在は実母と暮らしながら創作活動を続けています。介護に不安を抱えながら日々奮闘するケアラーのみなさんに向けて、親に対してつい、イライラしてしまう——そんな誰もが共感する体験をなとみさんがマンガで描きます。

母との暮らしは、一言で言うと、「ちっ!」の嵐。
どう言うことかと申しますと、「みわ〜、ご飯チンって言うたわ〜」と母。
いやいや、電子レンジお母さんのすぐ隣にあるじゃないの。
今流してて泡だらけだから、自分で取ってよ〜。の「ちっ!」。
朝起き抜けに「みわ〜、昨日クーラーずっとつけとった?」
「いや、3時ぐらいに止めたよ」
「はっ?なんやて?」
「3時にと・め・た!」
「あっ?なんて言うた?」
「3時にとー・めー・たっ!!」
「あああっ!? なんて言うたが〜〜!?」
もう、ドリフか!
朝から大声張り上げてこっちは汗だく。
耳が遠い母は補聴器をつけているのだが、起き抜けだから補聴器はつけてない。
「も〜、お母さん、補聴器つけてから話しかけてやっ!」の「ちっ!」そんな「ちっ!」が私の中で大嵐。
「ちっ!」の大渋滞。
忙しいとますますイライラしちゃう。
この大渋滞を少し交通整理しないとは思うのですが、本日も「ちっ!」の嵐〜〜。
構成:研友企画出版
写真(トップ):PIXTA
著者:なとみみわ
マンガ家、イラストレーター。
雑誌・広告・webでマンガやイラストを幅広く制作。北國新聞で2021年から『介護わはは絵日記』を連載開始。2024年の能登半島地震を受け、被災地での心温まるエピソードを北國新聞「のとはやさしや」を連載。現在は『ふるさと絵日記』を連載中。著書に『コミックエッセイ 介護わはは絵日記』(講談社)、『まいにちが、あっけらかん。高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖【増補改訂】』(つちや書店)、『私が死んだらどーなるの?おひとりさまの後始末』(小学館)など。