石川県在住の漫画家・イラストレーター、なとみみわさんは、53歳で故郷の能登町にUターンし、現在は実母と暮らしながら創作活動を続けています。「大切な家族のはずなのに、どうして傷つけちゃうんだろう」——そんな葛藤を抱えながら母親の介護に向き合う日々を、なとみさんがユーモアと温かさを交えてマンガで描きます。

母と大ゲンカをしてしまいました。
母もびっくりするほどエキサイトしまして、86ちゃいと55ちゃいが怒鳴り合い。
愛犬りくはびっくりしてオロオロするばかり。
何回言っても私の思いが伝わらなくて「もういいよ!」と、
その場を終わらせてしまった。
夜中、オムツを握り締め、ベッドに腰掛ける母の姿がありました。
何度も何度もため息をつき、首を横にふる母。
しばらく床をじっと見つめてから、ゆっくりゆっくりオムツをはいた。
そんな母を見つめていたらね、胸がぎゅうううううってなりました。
老いていく切なさとか、日々何か失っていく毎日とか、そんな母の思いが私の胸に流れ込んできた。
家族ってとっても大切だってわかっているのに、どうしてお構いなしに傷つけちゃうんだろう……。
他人にはあそこまで言わないのに、どうしてお母さんなら娘なら「良し!」としちゃうんだろう……。
実の親は腹が立って当たり前……これはなんでなんだろう?
午前1時。1人反省会の夜。
構成:研友企画出版
写真(トップ):PIXTA
著者:なとみみわ
マンガ家、イラストレーター。
雑誌・広告・webでマンガやイラストを幅広く制作。北國新聞で2021年から『介護わはは絵日記』を連載開始。2024年の能登半島地震を受け、被災地での心温まるエピソードを北國新聞「のとはやさしや」を連載。現在は『ふるさと絵日記』を連載中。著書に『コミックエッセイ 介護わはは絵日記』(講談社)、『まいにちが、あっけらかん。高齢になった母の気持ちと行動が納得できる心得帖【増補改訂】』(つちや書店)、『私が死んだらどーなるの?おひとりさまの後始末』(小学館)など。