魚と野菜をバランスよく摂れる、アレンジ煮物レシピをご紹介します。ピリ辛風味がアクセントになり、食欲をそそる味わいです。魚だけでなくさまざまな具材が入っているので食感を楽しめ、食べ応えも十分。体を芯から温めてくれるため、寒さが増す季節の晩ごはんにぴったりの一品です。

1. EPA・DHAがカギ! 青魚メニューで血中脂質をケア

血中脂質が過剰に増えると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病を引き起こします。特に中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールの数値が高い人は注意が必要です。

 

予防のカギとなるのが、青背魚に豊富に含まれるEPAやDHA。これらは中性脂肪の合成を抑えたり、LDL(悪玉)コレステロールを減らしたりする働きがあります。

 

今回ご紹介するのは、秋から冬にかけて旬を迎える「さば」を使ったピリ辛仕立ての煮物です。発酵食品であるキムチは、乳酸菌による整腸作用が期待できるだけでなく、ビタミンCが豊富でEPAやDHAの酸化を防いでくれる、栄養面でも相性の良い組み合わせです。

 

さらに、かぶ・油揚げ・豆苗を加えることで、魚の煮物に不足しがちな食物繊維やビタミン類も一皿でしっかり補えます。煮物は、煮汁に溶け出た栄養成分を丸ごと味わえるのが魅力。仕上げにすりごまを加えることで香ばしさが増し、最後までおいしく食べられます。

 

さばは焼き色をつけてから煮ると、コクが加わり一層味わい深く仕上がります。体を温めながら栄養も摂れる具だくさんの煮物で、食卓から元気をチャージしてみてはいかがでしょうか。

 

MySCUE記事 健康レシピ 血中脂質

2. さばのキムチ煮|材料(2人分)

さば……2切れ(200g)
塩……小さじ1/4
かぶ……2個
油揚げ……1枚
白菜キムチ……80g
豆苗……1/2パック
白すりごま……小さじ2
ごま油……小さじ1

 

A
水……1カップ
酒……大さじ1
しょうゆ……小さじ1

 

*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。


エネルギー343kcal 
塩分 2.1g

 

MySCUE記事 健康レシピ さばのキムチ煮 

 

料理撮影:貝塚 純一
レシピ開発・調理:伊藤 晶子

3. 作り方

①さばは塩を振って10分ほどおき、水気をよく拭く。

 

②かぶは茎を2㎝ほど残して葉を切り落とし、皮付きのまま4~6等分のくし形に切る。水にさらして茎元の土をよく洗う。

 

③油揚げはキッチンペーパーで押さえて油を除き、ひと口大に切る。キムチはみじん切り、豆苗は根元を切り落として半分の長さに切る。

 

④フライパンにごま油を入れて中火で熱し、さばの皮目を下にして並べ、あいたところにかぶを加え、焼き色をつける。

 

⑤さばを裏返してキムチを加え、さっと炒めたら、Aと油揚げを加え、中火で5分ほど煮る。

 

⑥器にさば、かぶ、油揚げを盛り合わせる。残った煮汁で豆苗をさっと煮て、煮汁ごと盛り、仕上げにすりごまを振る。

 


シニアのためのひと工夫:
•さばをカジキマグロの切り身などに替えると、骨の心配がなくおいしくいただけます。
•豆苗は2cm長さに切ると格段に食べやすくなります。

 

写真:PIXTA

この記事の提供元
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著者:伊藤 晶子(いとう・あきこ)

料理研究家・管理栄養士
料理教室FRASCO 主宰(福島県いわき市)

女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家アシスタント、料理教室スタッフなど様々な食の現場を経て、2009年に独立。『栄養と料理』『レタスクラブ』『お料理家計簿』(講談社)などの料理雑誌でのレシピ提案や、料理教室講師、イベント運営、企業のレシピ開発、料理番組の裏方など、多岐にわたって活躍。2020年末にいわきへUターンし、現在は料理教室運営を軸に、東京へも出向き、食の仕事に携わる。確かな調理技術をもとに、作りやすさと美味しさを兼ね備えた、食べて笑顔になる料理を提案し続けている。『フィスラーの料理教室』(KADOKAWA)、『ラプンツェルと学ぶ 料理の基本(料理担当)』(KADOKAWA)、『おいしすぎる糖質オフカレー』(KADOKAWA)、『幼児から小学生まで 食物アレルギー栄養しっかりごはん(料理担当)』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

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