グラウンド・ゴルフは、1982年に鳥取県で生まれたスポーツです。専用のクラブでボールを打ち、ホールポストに入るまでの打数を競うという、ルールがとてもシンプルなゲーム。誰でも気軽に始められることから、今では全国で多くの人に親しまれ、愛好家は300万人以上といわれています。仲間と楽しみながら心も体も元気になれる、シニア世代にぴったりのスポーツです。

1. グラウンド・ゴルフってどんなスポーツ?

グラウンド・ゴルフ

名前のとおりゴルフに似ていますが、ゴルフより手軽で身近なスポーツです。専用のクラブでボールを打って、ホールポストの中で静止するまでの打数を競い、打数の少ない人が勝ちです。

各ホールの距離は50m、30m、25m、15mの各2ホール、合計8ホールが標準ですが、場所などに応じて、ホールごとの距離・数を自由に設定して楽しむことができます。

ちょっとユニークなのが「ホールインワン」のルール。ホールポストに静止した状態を発祥地の鳥取県泊村(とまりそん)にちなんで、「トマリ」と呼びます。1打目でホールイン(トマリ)すると、スコアから3打マイナスされます。一発逆転が狙えるので、大会では初心者が優勝することもあり、グラウンド・ゴルフの魅力の一つです。

2. ルールは簡単! 初心者でもすぐできる

グラウンド・ゴルフ

日本グラウンド・ゴルフ協会の会長は「世界でいちばん簡単なスポーツ」と話すほどで、ルールも16条しかなく、一度やればすぐ覚えられる手軽さが人気です。

ルールには、「他のプレーヤーが打つときは静かに」「自分の作った穴や足跡は直す」「ゲーム中は打球練習を行わない」「物的・人的援助を受けない」「あるがままの状態でプレーする」などがあります。

3. シニア世代に人気!生涯スポーツとして注目

グラウンド・ゴルフ

グラウンド・ゴルフは「スポーツに人を合わせるのではなく、人にスポーツを合わせる」という考え方から生まれました。プレーヤーの数に制限はなく、そのほか、年齢・性別・障害の有無を問わず、自分のペースで楽しめます。時間制限もなく、体力や技術に合わせて無理なく続けられるので、健康維持にもぴったりです。

さらに特徴的なのが「セルフジャッジ(自分で審判をする)」というルール。フェアプレーの精神を大切にし、マナーや思いやりを学べるのも魅力です。

4. 体も脳も元気に! グラウンド・ゴルフの健康効果

グラウンド・ゴルフ

グラウンド・ゴルフは楽しいだけでなく、体にも脳にも良い影響があります。

●よく歩いて筋力アップ
プレー中はボールを打つたびに歩くので、2時間ほどで5,000歩以上歩くこともあります。自然に有酸素運動ができ、足腰の筋力維持に役立ちます。

●脳トレにもなる
打数を数えたり、スコアを記入したりする作業は、頭の体操にもなります。認知機能の維持に良い影響があるといわれています。

●ストレス解消にも効果的
「ナイスショット!」とお互いに声をかけ合い、笑いながら楽しむ時間は、何よりのストレス解消につながります。

5. ロコモ予防と心の健康につながることが明らかに

グラウンド・ゴルフ

日本グラウンド・ゴルフ協会が行った調査によると、グラウンド・ゴルフ愛好者は一般の高齢者に比べて「ロコモティブシンドローム(運動器の衰え)」のリスクが約40%低いことがわかりました。さらに、歩幅が広く、歩行速度も速い傾向があることもわかりました。これは、プレー中に自然と足腰を使い、バランス感覚を養うことが影響していると考えられます。

歩幅の減少は、歩行速度の低下、移動機能の純化、転倒リスクの増加につながることから、シニア世代では、とくに歩幅を維持することは転倒予防のためにも重要になります。

また、グラウンド・ゴルフは屋外で仲間と会話を交わしながら行うため、社会的なつながりを維持しやすい点も魅力です。調査では、グラウンド・ゴルフ愛好者は、一般の高齢者に比べて「不安感が少ない」「気分の落ち込みが少ない」と感じる人が多く、心の健康維持にも効果があるとされています。さらに、競技後の達成感や笑い合う時間が、脳の活性化やストレス軽減にもつながります。

このように、グラウンド・ゴルフはロコモ予防や転倒防止、筋力維持、そして心の健康を支える要素を兼ね備えた、まさに健康寿命を延ばすスポーツといえます。

6. 笑顔が広がる!仲間づくり・地域交流の輪

グラウンド・ゴルフ

グラウンド・ゴルフのもう一つの魅力は、人とのつながりです。大会やサークルでは、60代~80代の方たちが笑顔でプレーしています。「運動が目的だったけど、仲間に会うのが楽しみになった」という声も多く、地域の交流の場としても人気です。エチケットや思いやりを重んじるルールがあるため、自然と良い人間関係が生まれるのもこのスポーツの魅力です。

7. どこでできるの? 必要な道具は?

グラウンド・ゴルフ

特別な設備がいらず、公園や運動場、河川敷など、平らな場所ならどこでも楽しめます。

始めてみたい人は、日本グラウンド・ゴルフ協会に問い合わせる、日本グラウンド・ゴルフ協会のホームページで「認定コース」を検索する、地域のサークルや公園で活動しているグループを探すなど、してみましょう。各都道府県にグラウンド・ゴルフの協会があるので、初心者でも安心して参加できます。

グラウンド・ゴルフを始めるのに必要なのは、次の4つだけです。
・クラブ(ボールを打つ道具)
・ボール
・ホールポスト(ゴール)
・スタートマット(一打目を打つマット)

これらの用具を取り扱う認定企業は協会ホームページで紹介されています。まずは地域サークルなどで用具を借りて体験してみるのもおすすめです。

8. 「始めてよかった!」体験者が語るリアルな声

グラウンド・ゴルフ

実際にグラウンド・ゴルフを楽しまれている方々に、その魅力を伺いました。きっかけは人それぞれですが、共通しているのは「楽しみながら健康になれる」という実感です。

「大きなけがをして、リハビリがてらに始めました。友達もできて心もからだも元気になりました!」(79歳女性)

「何歳からでも、一生できるスポーツです。ホールインワンが出ると最高にうれしいですよ」(83歳男性)

「それぞれのペースで楽しくプレーできるのが魅力です。仲間と会うのも楽しみです!」(83歳男性)

「コロナ禍で運動不足解消に始めました。先輩たちからパワーをもらっています」(65歳女性)

「プレー歴は10年以上です。よく歩いてよく笑って、こんなに楽しいスポーツはありません」(80歳女性)

「2時間ほどの大会では5,000歩以上歩きます。スコアカードに自分で打数を記入し、合計打数を計算するので、脳トレにもなります」(83歳男性)

長く続けるうちに「体力がついた」「人とのつながりが広がった」という声も多く聞かれます。体を動かしながら笑顔が生まれ、自然と生活にハリが出てくる、それがグラウンド・ゴルフの大きな魅力です。

9. まとめ

グラウンド・ゴルフは、運動、仲間づくり、脳トレのすべてがそろった、まさにシニア世代にぴったりのスポーツです。体力がなくても始めやすく、自分のペースで楽しめるのが魅力。続けるうちに、足腰の筋力維持や転倒予防、心の健康維持にもつながります。

無理なく楽しく続けられる“健康の習慣”として、あなたも今日からグラウンド・ゴルフを始めてみませんか? きっと新しい出会いと発見が待っています。



監修:公益社団法人 日本グラウンド・ゴルフ協会
公式サイト


構成:研友企画出版


【監修者のプロフィール】
日本国内のグラウンド・ゴルフの統括団体として、グラウンド・ゴルフの普及振興、国民の体力向上、心身の健全な発達、生涯スポーツの振興を目的に活動。昭和58年(1983年)に設立され、平成22年(2010年)に公益社団法人に移行。主な事業は、全国規模の大会開催、指導者養成と資格認定、公式ルール制定、用具やコースの認定、公認大会やイベントの企画・運営など。スポーツ庁や日本スポーツ協会など関係団体と連携しつつ、フェアプレーと自律性を重んじる理念を推進し、年齢や性別を問わず誰でも参加できる「グラウンド・ゴルフ」が正しく広まり、生涯にわたりスポーツを楽しむ環境づくりを支える役割を担う。

この記事の提供元
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著者:MySCUE編集部

MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。

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