今回ご紹介するのは、バレーボールに似たルールで安全性と楽しさに配慮されたスポーツ「インディアカ」です。赤い羽根のついた独特なボールをネット越しに手で打ち合うこの競技は、年齢や性別、経験の有無を問わず、誰もがすぐに楽しめる魅力を備えています。その特徴や健康効果、社会的な魅力の面から詳しく解説します。

インディアカは、1930年代末にドイツで考案されたスポーツです。きっかけは、ドイツの体育教師カールハンス・クローン氏が1936年にブラジルの伝統的な競技「ペテカ(Peteca)」をドイツに持ち帰り、用具に改良を加えたことにあります。名称の「インディアカ」は、「インディアン」と「ペテカ」を組み合わせた合成語です。
日本では1980年に日本インディアカ協会が設立されて以降、全国に普及しました。現在、国内の愛好者は100万人を超えるといわれ、全国に約3,500のクラブが存在します。年齢や経験を問わず、「いつでも・だれでも・どこでも」楽しめるレクリエーションスポーツとして定着しています。

インディアカ最大の特徴は、「インディアカボール」と呼ばれる羽根つきの専用ボールです。4枚の大きな羽根が付いた高さ約25cm、重さ約50gのボールの羽根が空気抵抗を生むことでスピードが緩やかになります。そのため、初心者でもボールを追いやすく、恐怖心を感じにくいのが特徴です。
また、飛行が安定し、狙った方向へコントロールしやすい点も魅力です。ゆっくりとしたパスから、ややスピードのある打球まで調整しやすく、プレーヤーの体力や技量に合わせたプレーが可能です。ラケットなどを使わず、素手で打ち合う点もインディアカならではの特徴で、「球技が苦手」「久しぶりの運動で不安」という方でも安心して挑戦できます。

インディアカは、安全性に配慮された全身運動であり、シニア層の健康寿命の延伸にもつながります。
1.全身を使った効率的な運動
コート内でボールを追い、ネット越しに打ち合う動作を通じて、自然と全身を使う運動になります。ゲームを楽しみながら心地よく汗をかくことができ、心肺機能や持久力の向上も期待できます。ボールの動きに合わせて体を動かし、タイミングよく打ち返すことで、リズム感やバランス感覚、反応力も養われます。実際に「インディアカを続けているおかげで体力に自信がついた」(52歳・男性)という声も聞かれます。
2.安全性の高さと安心感
羽根つきボールはスピードが抑えられているため、強い衝撃を受けにくく、恐怖心を感じにくいのが特徴です。また、ネットを挟んで行う競技のため、選手同士の接触がなく、けがのリスクも低く抑えられています。さらに、ボールが転がりにくい構造のため、狭いスペースでも効率的に練習できる点も、シニアにとってうれしいポイントです。
3.多世代・男女混合で楽しめる柔軟性
インディアカは、年齢や体力差を超えて一緒に楽しめるスポーツです。全国のクラブでは、10代から80代まで幅広い世代が同じコートでプレーしています。男女混合チームも可能なため、若い世代と交流しながら楽しめるのも魅力です。インディアカクラブ「ガイア」代表の横山浩道さんは、「若い人たちと一緒にプレーすることで元気をもらえる」と話し、世代間交流による精神的なメリットも大きいといえます。

インディアカの基本ルールはバレーボールに似ていますが、初心者やシニアでも無理なく楽しめるよう工夫されています。
コートはバドミントンコートと同じサイズ(6.1m×13.4m)で、ネットの高さは年齢や性別に応じて調整されています。男子・男女混合(一般)は2.15mですが、シニア男子(45歳以上)・女子(一般)・シニア男女混合(45歳以上)は2m、シニア女子(45歳以上)は1.85mと、無理のない設定になっています。
1チーム4人制で、ネット越しにボールを3打以内で返し、相手コートに落とすと得点になります。競技は1セット21点先取。3セットマッチで2セット先取したチームが勝者になります。

インディアカの魅力は、体力づくりだけにとどまりません。現在、10代から80代まで幅広い年代の人がプレーを楽しんでいます。多世代が同じコートで汗を流すことで、自然と交流が生まれ、社会とのつながりが広がります。
また、男女混合チームを編成できるので、夫婦や親子で一緒に参加するケースも多く、「家族みんなで楽しめるのが魅力」(63歳・女性)という声もあります。また、チームプレーならではの連携がうまくいったときの達成感は、「仲間と一緒だからこそ味わえる喜び」として、心の充実感につながっています。

インディアカは、全国各都道府県に協会があり、地域の体育館や学校施設などで活動が行われています。お住まいの地域で活動拠点を探すには、一般社団法人日本インディアカ協会(JIA)の公式サイトや、自治体のスポーツ窓口を活用するとよいでしょう。
特別に高価な用具は必要なく、専用ボールとネットがあれば始められるため、初期費用が抑えられる点も、生涯スポーツとして続けやすい理由です。
インディアカクラブ「ガイア」は、東京都練馬区内の小学校などで、日曜日(不定期)に練習を開催しています。

インディアカは、羽根つきボールの特性によって安全性が高く、年齢や体力に関係なく楽しめるスポーツです。全身を使った適度な運動に加え、仲間との交流やチームプレーによる達成感が、心と体の健康を支えてくれます。
生涯スポーツとしてインディアカを取り入れることで、日々の生活にハリが生まれ、社会とのつながりも自然と広がっていくでしょう。ぜひ、羽根つきボールがつなぐ新しい世界に、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
協力:インディアカクラブ「ガイア」代表 横山浩道
インディアカクラブ「ガイア」・・・東京都練馬区を拠点に活動する、1998年設立の歴史あるインディアカチーム。ギリシャ神話の大地の女神と、不屈の精神を象徴する名を冠し、2025年に創立27年目を迎えた。地域に深く根ざした活動を続けており、現在は20名のメンバー(男性11名、女性9名)が所属している。「生涯スポーツ」としてのインディアカの普及に尽力しており、世代を超えて親しめる競技の特性を活かしたコミュニティづくりを推進。練習では親睦を深める「和気あいあい」とした雰囲気と、競技としての「真剣さ」を両立させ、技術向上と健康増進の両面からアプローチを行っている。
instagram: https://www.instagram.com/gaia_indiaca/
著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。