バウンドテニスは日本生まれの生涯スポーツです。コンパクトなコートと安全性の高いルールで、シニアを中心に幅広い世代に親しまれています。ゴム製のボールと軽量ラケットを使い、室内でも無理なく誰でもすぐに始められるのが大きな特徴です。日々の運動不足解消はもちろん、仲間づくりや認知機能の活性化など、健康面・心理面の両方で大きなメリットが期待できます。

バウンドテニスは1980年に日本で考案された、テニスと同様のルールで行うスポーツです。「バウンド」という名前には、ボールがよく弾むこと、限られたスペース(バウンダリー)でできることの二つの意味があります。
コートはテニスコートの約6分の1と非常にコンパクトで、体力の消耗が少なく、誰でも手軽にプレーできます。初心者でも1時間ほどの練習でしっかり打てるようになり、シニアでも始められる生涯スポーツとして人気を集めています。
使用するのは、テニスラケットより小さい長さ約50cmの専用ラケットと、直径6cm弱のゴム製ボールです。ボールはよく弾むため、打つときに力加減などをコントロールする必要があります。その難しさと楽しさが魅力であり、この奥深さこそ、長く続けられる理由の一つです。

バウンドテニスは室内でプレーできるため、天候に左右されず一年中楽しめます。主に体育館やコミュニティーセンターなどで行われます。
コートは幅3m、長さ10mの長方形で、ネットの高さは50 cm。組み立て式のネットは簡単に設置できます。使用する道具は、長さ約50 cmの専用ラケットと、直径6 cm弱のゴム製ボールのみです。通常、体育館の床にグリーンの人工芝コートを設置して行います。
ゲーム形式も豊富で、シングルス(2人)、ダブルス(4人)、BTラリー戦(6人)があります。ダブルスでは4人が交互に打ち、BTラリー戦ではどれだけ多くのラリーができるかを競うため、協力と連携が重要になります。

バウンドテニスはシニアが健康を維持しながら楽しむ要素がそろっています。
●体力の消耗が少ない「安全な運動強度」
コートが狭く細長いため、テニスより体力の消耗が少なく済みます。その一方で、プレー中は常に動き続けるため、適度な有酸素運動の効果を得られます。激しい運動は避けたいけれど、適度に体を動かしたいというシニアに最適です。
●奥深い戦略性が「飽きさせない」
単なる運動として終わらない奥深さも魅力です。ボールの動きを見て瞬時に次の動作を考え、また、ボールを打つ場所を見極める戦略性も必要となるため、非常に奥が深いスポーツです。常に新しい課題があるため飽きることがなく、長く楽しむことができます。
●年齢に応じたカテゴリーで「無理なく続けられる」
公益財団法人 日本バウンドテニス協会は、さまざまな大会を主催しています。年齢に応じたカテゴリーを設けており、60歳以上を対象とした「シニアの部」も存在します。年齢に合った環境でプレーできるため、長く継続できます。実際に、毎年開催される、全日本バウンドテニス選手権大会でも多くのシニアプレイヤーが活躍しています。

バウンドテニスは運動不足の解消だけでなく、認知機能維持・向上にも効果が期待できます。
●運動不足の解消と有酸素運動
プレー中はコート内で動き続けるため、適度な有酸素運動の効果を得ることができ、日々の運動不足を解消できます。有酸素運動は脳への血流を増やし、神経細胞を活性化させるため、認知症予防に効果的です。
●認知症予防と脳の活性化
テニスと同様に、相手の打つボールの軌道やプレイヤーの動きを瞬時に見て、次にどう動くか、どう打つかを考える必要があります。この一連の動作と思考が脳を活性化させ、認知症の予防に役立つことが期待されます。さらに、戦略的にボールを打つ場所を決める過程も、脳を使うトレーニングになります。
●心理的ストレスの軽減
無心になってボールを打ち合うことで、ストレス発散の効果が得られます。運動による爽快感や、思い通りに打てたときの達成感が心の健康を保ち、心もからだも元気になります。

バウンドテニスは運動だけでなく、仲間づくりもとしても優れています。練習を通じて絆が深まり、チームで協力しながらプレーすることで自然なコミュニケーションが生まれます。長年バウンドテニスを楽しんでいる方々は、運動以上の価値を感じています。
「バウンドテニス歴28年です。思いどおりに打てると爽快! 常に課題があり、飽きることがありません。技術的な奥深さが長期間のモチベーション維持につながっています」(60代女性)
「友人に誘われて始め、18年になります。みんなと楽しく練習することが健康の秘訣です」(80歳女性)
「無心にボールを打つとストレス発散でき、心もからだも元気になります」(68歳女性)
「ボールを打つ場所を見極める戦略性も必要で、とても奥が深いスポーツです」(50代女性)
また、足立区バウンドテニス協会「なはちゃんず」代表の安本美加代さんは、「チームには人生の先輩も多く、練習後の食事会でも勉強になることがたくさんあります」と話します。
東京都バウンドテニス協会副会長、80代の花井貴久子さんは、「誰でも何歳からでも、気軽に始めることができるのが、バウンドテニスの魅力です。練習を通して仲間との絆も深まり、一生の財産を得られます」と、バウンドテニスが提供する居場所と絆がシニアの生きがいにつながっていることを強調しています。

バウンドテニスは、地域に根差した活動が活発で、気軽に仲間を見つけやすい環境です。
日本バウンドテニス協会では、47都道府県の全てに支部協会を設置し、全国のクラブやバウンドテニス協会で、体験会、初心者向け講習、競技練習会が随時実施されています。まずは、お住まいの地域のバウンドテニス協会やクラブに問い合わせて、体験会に参加するのが最も手軽な始め方です。
例えば、足立区バウンドテニス協会「なはちゃんず」は、毎週水曜日の10時から12時に足立区総合スポーツセンターで活動しています。詳細については、(ウェブなどで検索の上)ぜひ最寄りのバウンドテニス協会・クラブまでお問い合わせください。
競技志向の高い方や、遠征を通じて交流を深めたい方は、全国大会を目指すことも可能です。毎年、全日本バウンドテニス選手権大会が開催されており、この大会には年齢層に応じて「シニア男子ダブルス」「シニア女子シングルス」など、60歳以上を対象とした部門が設けられています。また、「日本バウンドテニスゴールド大会」も過去に各地で開催されており、シニア層の交流の場として親しまれています。
バウンドテニスは、屋内という安心できる環境で、適度な運動と深い戦略性、そして何より温かい仲間との交流をもたらしてくれるスポーツです。ぜひ、新しい健康習慣として、バウンドテニスを始めてみませんか。
監修:公益財団法人 日本バウンドテニス協会
公益財団法人 日本バウンドテニス協会…日本におけるバウンドテニス競技を統括し、普及振興を担う中央競技団体である。日本スポーツ協会に加盟する認定団体。主な活動は、バウンドテニスのルール整備や公式大会の主催・公認、審判・指導者の養成、そして全国47都道府県の支部協会ネットワークの運営を行う。室内の限られたスペースでも安全かつ気軽にプレーできる特性を生かし、高齢者を含む幅広い年代が継続的に運動習慣を持てるよう、講習会・大会・体験イベントなどの事業を展開。競技面では全日本選手権大会、国民スポーツ大会(公開競技)をはじめとする全国規模の大会運営など、競技水準の向上を追求し、健康づくり、レクリエーション、地域交流の観点からエリアブロックごとに親善交流大会を開催してスポーツ振興を図り、誰もが生涯楽しめる日本発祥のラケットスポーツとして、バウンドテニスの価値を国内外に発信している。
構成:研友企画出版
著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。