ビジネスケアラーは介護、仕事、自分の家庭の両立で「協力してほしい」、「理解してほしい」、「助けてほしい」という気持ちを抱いていると考えます。
しかし、自分の状況を理解してほしいと感じる時はまず相手を理解することが大切です。以下にそれぞれの立場を理解する為の本音を記しています。
(1)家族への理解
実父母の介護をする場合、自分の家族との時間が少なくなります。そういう時、ご家族はどんな気持ちでしょうか。同時に実家のご家族の気持ちも考えてみましょう。
①無責任、無関心な印象を受ける
家族の一員が介護の為に休日に居ない事が増えると、他の家族からみれば、家族間のイベントや子育て、学校行事などに無関心な印象を受けてしまいます。
また、家族で介護をしている場合は介護全般に対して不参加だと、介護の責任を果たしていないようで不満を抱くこともあります。
②コミュニケーション不足
不在の家族とのコミュニケーションが不十分であることで意思疎通がうまくいかず、不安や不満を感じます。
③意見の違いへの不満
介護の進め方や介護の分担に関する意見の不一致で不満を感じている場合があります。
(2)職場上司の理解
ビジネスケアラーが増えたと言っても、職場ではまだ介護経験のない人が多いのが実情です。介護経験のない方に通院介助、担当者会議の為に休みたいと言っても通じないこともあるかもしれません。
「分かってもらえなくて当たり前」と自分に言い聞かせ、説明することを諦めず、段階を追って説明して行きましょう。
以下に入院から介護が始まるまでの流れを、上司に説明している例を記しています。
①入院中:両親が入院しています。先日、ソーシャルワーカーの勧めで介護保険を申請しました。
②退院調整中:退院後の介護は施設を希望しているが、空きがないので一旦自宅へ戻る予定です。または自宅で介護する予定です。
③退院日決定:退院後の介護サービスの内容を決める為、担当者会議が病院で行われます。家族参加が必須の会議となっております。この日は早退をさせて頂いても宜しいでしょうか。
④退院の報告:昨日、無事に退院しました。ご心配頂きありがとうございました。引き続き、健康管理を行い業務運営に配慮して参ります。
介護が始まった後も休暇の申請をする場合や急に仕事を抜けないといけない時もあり、職場に申し訳なさがあるかもしれません。
しかし、現在多くの職場は介護の大切さを理解しようと努めています。出来るだけ柔軟に対応しようとしてくれるでしょう。
職場に迷惑をかけると感じるかもしれませんが、必要とされている社員である事を自負して下さい。
(3)ケアマネジャーへの理解
ケアマネジャーはサービスを調整し、利用者や家族の要望を聞き、利用者に応じたケアプランを作成します。介護を行える時間帯や、介護内容、介護を行える家族状況などを伝えることが大切です。
働いている会社の制度や、介護休暇などの制度の取得状況なども伝えておきましょう。
コミュニケーションの悩みは相手に期待することから始まります。自分の思いを伝えることは横において相手を理解することを意識しましょう。