なんとなく体がだるい、食欲がないというときでも食事を抜くのはNG。疲れていても、消化に良いメニューや疲労回復に役立つ食材を取り入れ、無理のない範囲で栄養をとることを心がけましょう。今回は、塩こうじの柔らかな塩気が野菜の風味を引き立てる、栄養たっぷりのスープをご紹介します。
鶏むね肉は、もも肉に比べ低エネルギーですが、100 g当たりのたんぱく質量はもも肉よりも多く含まれています。また、疲労回復、生活習慣病予防などが期待できる成分「イミダゾールジペプチド」を豊富に含んでいるのも特徴の一つです。この成分は、1日100gの鶏むね肉の摂取で体内に発生した活性酸素を除去し、日常生活の疲れを防止できるといわれています。さらに、国内の研究では脳の老化改善にも効果があることがわかり、認知症を予防する成分としても注目されています。
今回ご紹介するレシピでは、このイミダゾールジペプチドを豊富に含む鶏むね肉に加え、ビタミンたっぷりの野菜を使用しています。キャベツやにんじんから消化を助けるビタミンU(キャベジン)や疲労回復に役立つビタミンCがスープに溶け出すため、煮汁まで飲めば、無駄なく栄養を摂取できます。さらに、塩こうじの自然な塩気とうま味が素材の味を引き立てるため、余計な調味料を加えなくてもおいしく仕上がります。
具材を切って煮るだけの簡単レシピなので、料理に手間をかけたくないときにもおすすめです。
材料(2人分)
鶏むね肉……150g
キャベツ……2枚
にんじん……2㎝
グリーンアスパラガス……2本
A
だし汁……450mL
塩こうじ……大さじ1
*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。
エネルギー 136kcal
塩分 2.0g
料理撮影:さくらい しょうこ
レシピ開発・調理:松尾みゆき
①鶏肉はひと口大の1㎝厚さのそぎ切り、キャベツはざく切り、にんじんは2㎜厚さの半
月切りにする。アスパラガスはピーラーなどで根元の薄皮をむき、4等分に切る。
②鍋にAを入れて中火で熱し、煮立ったら①を加える。再び煮立ったらアクを取り、具材がやわらかくなるまで煮る。
シニアのためのひと工夫:鶏むね肉はそぎ切りした後、さらに1㎝幅に切るとより噛み切りやすくなります。
著者:松尾みゆき
健康と料理をテーマに食全般のコーディネーターとして書籍や雑誌、テレビ、Web、広告、企業のアドバイザーなどを中心に活動中。簡単でわかりやすいヘルシーメニューやボリュームのある低カロリーメニュー、栄養バランスを考えた食事、減塩レシピ、生活習慣病の方向けの食事、子供が食べやすく簡単に作れる離乳食や幼児食、さわやかなスタイリングが得意。生活習慣病予備軍の方向けの特定保健指導も定期的に実施中。食品メーカーでメニュー開発をしていた経験を活かし、アドバイザーをしている企業も多数。