寒い季節、高齢の親をもつ方の心配事の1つが「ヒートショック」です。データからも冬の高齢者に多く見られ、特に屋内の温度差の大きい脱衣所や浴室で起こりやすいといわれています。対策には高齢者でも使いやすく、安心・安全な「2WAY壁掛けヒーター」がおすすめです。
寒い季節になると高齢者の死亡原因として「ヒートショック」という言葉をよく耳にするようになります。ヒートショックとは、寒暖差のある部屋への移動など急激な温度の変化により、血圧が急激に変動して失神や不整脈を起こし、急死の原因にもつながりかねない健康被害のことです。一人暮らしの高齢の親を持つ子ども世代にとって、気がかりなワードになっているかもしれません。
よくあるヒートショックの例として、寒い脱衣所で服を脱ぐことで血圧が急上昇したところ、その直後に温かい浴槽に浸かって血圧が急降下してしまい、浴槽内で失神して溺れて亡くなるという「入浴中急死」があります。
東京都23区の異常死の検案を実施している東京都監察医務院(※1)によると、平成30年から令和4年の5年間の「入浴中の死亡者数の推移(月別・性別)」の平均件数(1年間では約14,000件を取り扱う)のうち、約1割(1,478件)が「入浴中の死亡」であるとされています。
この「入浴中の死亡者数」は、月別では1月、2月、12月が200人を超えています。さらにこの「入浴中の死亡者数の推移(年齢別・死因別)」の5年間の平均件数のうち、65歳以上が占める割合は、男性87.6%、女性94.1%となっています。
ヒートショックの要因には持病などもありますが、特に高齢者においては、脱衣所や浴室などの温度差が血圧の変動に大きな影響を与えます。ですので、温度差を少なくする室内環境での工夫が必要です。
※1 東京都監察医務院「東京都23区における入浴中の死亡者数の推移」(令和5年11月15日)より
平成30年から令和4年の入浴中の死亡者数の推移(月別・性別)より ※数値は男女の合計
平成30年から令和4年の入浴中の死亡者数の推移(年齢別・死因別)より ※入浴中検案数
温度差を少なくする工夫としては、脱衣所などへのエアコンの設置が望ましいのかもしれませんが、一人暮らしの高齢者にとってエアコンの設置工事の手配や場所の確保は大きな負担になることが考えられます。そこでおすすめなのが、コンセントにプラグを差すだけで使えるコンパクトな「2WAY壁掛けヒーター」(株式会社池商)です。
重さは約1.3kgと持ち運びがしやすく、本体は百科事典くらいの大きさ(約幅24×高さ27.5×奥行10cm)で、操作は高齢者でも操作しやすい3段階(送風/温風・弱/温風・強)のみの切り替え仕様。生活防水(IP21)、温度を感知してヒーターの「オン/オフ」を制御するサーモスタット機能も付いており、安心・安全です。
脱衣所には付属のフックで吊り下げたり、ドライバー1本で簡単に壁掛けスタイルにすることも可能。「吊り下げ」「床置き」の2WAYで使えます。また、設置は業者などに頼まなくても子世代などによる簡単な作業で済むため、必要になったときにすぐに設置することができます。
脱衣所をはじめ、トイレやキッチンなど家の中で寒さが気になる場所への設置はもちろん、床置きすれば冷える足元を暖めるのにも便利です。
吊り下げ時には本体の下部にあるバーを「タオル掛け」として使え、送風運転にすれば衣類の乾燥にも便利です。
「吊り下げ」と「床置き」の2WAYで使える。「吊り下げ」時に便利なタオル掛け付き。
*RAMASU(R)「2WAY壁掛けヒーター」
今回紹介した暖房器具などを活用した室内の寒暖差の防止策に加え、入浴時などに今日から取り入れられるヒートショック対策をご紹介します。
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・脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修
冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房器具で温めることは、効果的なヒートショック対策の1つです(浴室で暖房器具を使用する場合は浴室専用の暖房器具を使用するなど注意が必要)。また併せて、窓まわりは熱が逃げやすい為、内窓を設置するなどの断熱改修で、外気温の影響を最少限に抑えることも重要です。浴室をユニットバスへ改修することでも断熱性は向上します。
・シャワーを活用したお湯はり
シャワーを活用した浴槽へのお湯はりが効果的です。高い位置に設置したシャワーから浴槽へお温をはることで、浴室全体を温めることができます。今日からでもできる対策として取り入れると良いでしょう。
・夕食前・日没前の入浴
夕食を食べる前、日没前に入浴することも良い対策法です。日中は日没後に比べ、外気温が比較的高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能が高いうち(※2)に入浴することで、温度差への適応がしやすいためです。
※2 人の生命を維持する生理機能のピークは午後2~4時で、これを過ぎると徐々に生理機能が低下していくといわれている。
・食事直後・飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよいでしょう。
・湯温設定41℃以下
人によって影響は異なりますが、お湯の温度は、41℃以下にしておくことをおすすめします。
・一人での入浴を控える
可能な場合は、家族による適切な見守りや、公衆浴場、日帰り温泉等を活用し、一人での入浴を控えるといった方法も有効です。
出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」〈ヒートショックを防ぐには〉より)
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著者:MySCUE編集部
MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。