発酵食品のひとつである「塩麹」は、料理のうま味を引き出すだけでなく、腸内環境を整える働きが期待できる優れた調味料です。鶏肉は塩麹に漬けることで、酵素の働きでやわらかくなり、うま味もしみ込みやすくなります。今回ご紹介するのは、塩麹に漬け込んだ鶏手羽元と、食物繊維たっぷりの根菜をじっくり煮込んだ和風ポトフ。季節の変わり目の体調不良時にもぴったりの一品です。

1. 季節の変わり目、体調不良時にもやさしい和風のスープ煮込み

塩麹は、米麹・塩・水を発酵させて作る、日本の伝統的な調味料です。たんぱく質やでんぷん、脂肪を分解するさまざまな酵素が含まれており、食材のうま味を引き出します。さらに、乳酸菌の働きによって腸内の善玉菌が増え、腸内環境を整える効果も期待できます。

 

今回のレシピでは、鶏手羽元を塩麹に漬け込んでから使用することで、肉が骨からすっとほぐれるほどやわらかくなります。また、手羽の皮から出るコラーゲンも逃さず摂取できます。また、効果的に腸内環境を整えるには、発酵食品とともに食物繊維をしっかり摂ることが大切です。大根やにんじんなどの根菜には腸内で有用菌のエサとなる食物繊維が豊富に含まれており、腸の働きをサポートしてくれます。味の決め手となる昆布を加えることで、自然なうま味が加わり、根菜の甘みが引き立つ奥深い味わいに仕上がります。

鍋料理のポトフは、溶け込んだ素材の栄養も余すところなく摂取できるのも魅力。体を芯から温めながら、やわらかくほぐれる鶏肉と、うま味が染み込んだ根菜のおいしさを存分に楽しめます。

 

MySCUE 健康レシピ 塩麹鶏と根菜の和風ポトフ 材料 塩麹イメージ

2. 塩麹鶏と根菜の和風ポトフ|材料(2人分)

材料(2人分)
鶏手羽元……300g(6本)
塩麹(裏ごしタイプ)……大さじ2
大根……200g
にんじん……2/3本
セロリ……1/2本
昆布(5㎝角)……1枚
塩……少々

 

A
黒粒こしょう……4~5粒
ローリエ……1枚


*料理のエネルギー・ 塩分は1人分です。 
*野菜類は皮をむくなどの下ごしらえをすませてからの手順を説明しています。

 

エネルギー 241kcal 
塩分 2.2g

 

MySCUE 健康レシピ 塩麹鶏と根菜の和風ポトフ
 

料理撮影:石井 宏明
レシピ開発・調理:満留 邦子

3. 作り方

水3カップ(材料外)に昆布を浸けて1時間おく。

 

手羽元と塩麹をポリ袋に入れて軽くもみ、冷蔵庫で1時間おく。

 

大根は大きめの乱切り、にんじんは5~6㎝長さに切り、縦4~6等分に切る。セロリはすじを取って5~6㎝長さに切り、太い部分は縦半分に切る。

 

鍋に①、②(塩麹もそのまま)を入れ、中火で熱する。煮立ったら昆布を取り出し、アクを取り、③、Aを加え、ふたをして20~25分煮る。

 

塩で味をととのえる。

 

シニアのためのひと工夫:
鶏手羽元は完成後、骨を取り、肉を食べやすく切って盛りつけましょう。

 

 

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著者:満留 邦子(みつどめ くにこ) /管理栄養士 料理研究家

大学の家政学部を卒業後、料理研究家のアシスタントなどを経て、独立。書籍、雑誌、新聞、テレビなど多様な媒体で活動し、料理教室の講師や企業のレシピ開発を手掛ける。特に「家庭料理」を得意とし、身近な材料で作りやすいレシピ作りに定評がある。著書に『料理が楽しくなる圧力鍋レシピ』(成美堂出版)、『今日のうどん』(成美堂出版)、『ごはんのおとも』(成美堂出版)など多数。

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