トラベルライターの間庭典子がシニア層の親と行く旅をプランニング。今回は2025年に実際に取材したお店の中で、人生最高級かつ、新年会にも最適な、最旬レストランを厳選。旅する余裕がなくても、テーブルを囲み、国境や時空を超えた心の旅を楽しむような美食体験をみんなでシェアしましょう。とっておきの奮発グルメをご紹介します!

1. 「ごちそう」を好きなだけ選べるホテルブッフェで全員が満足

今年も多くのグルメスポットがオープン&リニューアル。コンセプトが明確で、美食体験そのものを楽しめるレストランが印象的でした。フォトジェニックなディスプレイやあっと驚く組み合わせの妙を楽しむアフタヌーンティーも百花繚乱。ヌン活なるワードもすっかり定着し、各ラグジュアリーホテルがアイデアを競うアフタヌーンティーやデザートブッフェはどれも華やかでした。


ブッフェ

ヒルトン東京の「マーブルラウンジ」のランチ(写真)。ディナーのブッフェは4人で申し込むとよりお得


そんなホテル内のレストランのブッフェは年末年始の華やいだ気分にぴったり。アイコン的なホテルならば待ち合わせもしやすく、ロビーに飾られた門松などに、お祝い気分も高まるというホテルならではのメリットも。シーズンごとにメニューやプレゼンテーションがリニューアルされるので、いつ訪れても新鮮です。シニア層、小さなお子さん、育ち盛りのティーンエイジャー、食事制限があったり好みが偏るなど、さまざまな事情のメンバーで集っても、オーダーするメニューやボリュームを気にせず、好きなものを好きなだけ選べるブッフェスタイルは、参加した全員が大満足。年齢による金額設定や、アルコールを飲むか否かなどのそれぞれの条件により、金額設定も明確なので、まとめ役=幹事もラクなのです。

たとえば西新宿の「ヒルトン東京」1階の「マーブルラウンジ」ではでは1月30日まで、ソフトドリンク90分飲み放題/4名以上でランチ6300円~、スパークリングワインやビールなどを含むと7000円~という冬ブッフェのプランを提供。ディナーはメニューが変わり、10,700円~。12/31~1/4のホリデーシーズンは別のプランの場合もあるのでチェック。ブッフェでパーティ気分を満喫しましょう!

2. やっぱりお祝いは肉! NYのステーキハウスとのコラボした極上肉を堪能

せっかくなので洗練されたレストランの素敵な空間を楽しみたい……! という向きには神谷町の「スカルペッタ東京」をおすすめします。NYスタイルのイタリアンで、アジア初進出の人気店。神谷町の駅と直結し、気候が良ければ緑に囲まれたテラス席も心地よし。もっちりとした食感の手打ちパスタ「スカルペッタ シグネチャートマトバジルのスパゲッティ」も美味! 本国の味わいの本質を継承しつつも、「旨味」を鋭敏に感じ取る日本人の味覚を存分に満たすメニューが特徴なのです。

そしてNYの系列店の超人気ステーキハウス「American Cut」の期間限定ポップアップのディナーを1月末まで提供中。ボリュームたっぷりの、THE アメリカンなコースに度肝を抜かれました。


American Cut

前菜やメインをシェアできるので、食べられる量がそれぞれ違っても調整しやすいコース仕立て


前菜のマグロのタルタルやシュリンプカクテルは、ザクザクの氷にのっていて、昔、NYで暮らしていた自分にとっては懐かしいなあ、と感動する伝統的なプレゼンテーションですが、味は繊細で、しっかりモダンにアップデートされている感じ。ロブスターのスパイシービスクもかなり辛みが効いています。

そして圧巻なのが国産牛のTボーンステーキ! なんと2人前で500g! これは赤ワインやチミチュリなどの特製ソースといただきます。クリーミーなキクイモとほうれん草のピュレやマッシュポテト、タワーのように積まれたオニオンリングなどのサイドディッシュもがっつりと濃厚。デザートまでボリューミィーなアメリカンスタイルで、とてもとても食べきれない……! 食べ盛りの甥っ子や姪っ子たちにもりもり食べてほしい。メインがシェアできるので、健康優良児や大食漢を誘うと楽しいですよ。2026年2月28日まで開催しているので、バレンタインディナーにも最適かも。一人15000円(税込・サービス料別)、3種のワインペアリングがつくと19800円という豪華なシェアコースですが、満足度は高し。

「スカルペッタ東京」では通常メニューは一人一皿ずつのコースが主流ですが、パスタやメインをそれぞれ分けられるシェアコースもあります。中でもびっくりなのは、シェアスタイルの前菜やパスタ、メインにフォトジェニックな旬のデザートプレートが付き、シャンパンや各種カクテルのフリーフロー2時間も含まれて11000円というシェアコースです。これはテラスやバーカウンター席限定ですが、その分、相当お値打ち。

ちなみに土曜日限定で6000円のアフタヌーンティープランも展開。紅茶やコーヒーだけでは物足りない人はシャンパーニュを含むフリーフローを3800円で追加できるので、女子会や姉妹兄弟でのお疲れ様会にもぴったりです!

3. ニュウマン高輪の28階の「高輪それがし」では家族層にも対応

2025年は山手線の高輪ゲートウェイ駅に直結した「ニュウマン高輪」もオープン。駅そのものが新しいので、未来都市のような新鮮な空間です。1000坪以上という広大な空間に3つのラウンジカフェがある書店「ブンキツ トーキョー」やギャラリーもある「ビームス カルチャート 高輪」など、カルチャーを楽しめる店舗も多く、年齢や趣味を問わず、さまざまな層が満足できます。ふとくつろげるラウンジのようなスペースやキッズの遊び場が点在しているのもうれしい! グルメの面でも、おなじみの飲食店の新形態から日本初上陸のお店までさまざまで、今、一番旬なスポットといってもいいでしょう。

雑貨店や食材など、気軽に選べるギフトも探せるので、ホリデーシーズンはここで集まって、お互いにお年玉を贈り合うのも楽しいかも。

家族で訪れるのにおすすめなのは割烹スタイルの「高輪それがし」。目黒や五反田などこのエリアで展開している人気店ですが、ここ高輪ゲートウェイの店舗では、4名から16名まで利用できる6つの個室があり、お子様向けのメニューも。本格的な割烹でありながら、家族で集える空間となっています。フォトジェニックな太巻きやポテトサラダ、メンチカツなどの居酒屋感覚の看板メニューも。「ご馳走」をみんなでシェアできます。1品を2人で、4人の場合は2品をそれぞれ分けてサーブしてくれるので、取り分ける手間もなく、会話を楽しみながら食事できるのもここのメリット。


太巻き

思わず写真に収めたくなるそれがし名物の太巻きなど親しみやすい割烹メニューを楽しめる

天空の28階にあるので、夜景も絶景。レインボーブリッジも見渡せます。そんな非日常を味わいつつ、ほっとするメニューで飲むのがいいんです。ランチや昼飲みにも使えるので、女子会や気軽な集まりに利用してもいいですね。

4. こうなったら博多へひとっ翔び! 秘密のラボでフレンチ劇場に酔いしれる

いっそ博多まで飛んで美食体験なんてプランも! 今年9月にオープンした博多フレンチの「リュニック・ラボ(L’Unique labo)」は美食体験そのものをシェアできる、劇場のようなレストランでした。食の宝庫・博多の街の中心であり、1989年に開業し、2023年10月にリニューアルした「ホテル イル・パラッツォ(HOTEL IL PALAZZO)」の敷地内にあり、ランチもディナーも同じコースが提供されるので、昼のフレンチを堪能して、そのままチェックインなんてことも。そしてこのデザインホテルがまたすごかった!

20世紀を代表する世界的なイタリア人建築家、アルド・ロッシと、日本を代表するインテリアデザイナー、内田繁がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989年に開業。 創業当時の理念を継承しつつ、「Re-Design」された新たなデザインは、日本が元気だった時代、昭和後期の空気を感じる、どこかレトロな空間なのです。ファッションシューティングのロケ地にもなるほどのフォトジェニックさで、ラウンジ「エル・ドラド」は必見です。あの時代を駆け抜けた親世代にこそ味わってほしいと感じました。

そしてランチでいただいた「リュニック・ラボ」のフルコースはそれぞれのプレゼンテーションが独創的で、毎回、あっと驚く仕掛けが。まさに劇場型レストランでした。元チャペルの6mの天井の席数はわずか8席。オープンキッチンの前にUの字型の大きなカウンターテーブルがあり、シェフが目の前で料理を仕上げてくれます。時にはゲスト同士の交流も生まれ、会話が弾むことも。

お料理からは、すべてが繊細で、爽やかな香りや甘味、酸味を感じます。それはレモンや無花果、カボスなど、それぞれの料理に果実を隠し味としているから。料理とワインをつなぐブリッジとして、九州の果実をマリアージュしたのは、濵野雅文シェフです。福岡県糸島市出身の濵野シェフはフランス・ブルゴーニュで独立後、ミシュランガイドにて6年連続で二つ星を獲得した注目の料理人。2023年の帰国から約2年をかけて構想された本プロジェクトは、美食家の間で早くも話題になりました。

美食体験のために、思い切って博多まで行くのも楽しいですね。



チョウザメの飾りのついたカバーを開けるとお花畑のようなキャビアのムースが。トリュフを練りこんだワッフルといただく

5. 親とともに体験したい奮発グルメのポイント5

親世代と訪れて、安心しつつサプライズがある美食スポットの選び方には5つのポイントが。


1.駅直結や大きなホテルなど、待ち合わせがしやすい
親世代としてはお店までたどり着くことが不安。迷って困ることがないよう、駅ナカの商業施設や大きなホテルなど、場所がすぐわかる店のほうが好都合なのです。駅直結の店舗など、駅の改札で待ち合わせれば、すぐにたどり着ける場所もおすすめです。そこまでの行き方がわかれば、また行こう、となった時に親世代だけでも訪れやすくなるので。


2.ちょっとしたサプライズ要素のある非日常感
今年オープンした商業施設、有名なホテルなど話題性のあるお店を選ぶのも、楽しんでもらえるコツ。「テレビで紹介していたあそこね」「あの施設はこんなに広かったのね!」と驚きがあるのもいい刺激に。目の前でシェフ自らが仕上げ、お料理についてレクチャーしてくれるのもうれしいサプライズです。夜景を楽しめる、空間に圧倒されるのもサプライズの一つ。そんな非日常感を味わえる美食体験ができるお店を選びましょう。




U字型のカウンターの目の前でスターシェフ自ら、目の前で仕上げてくれる


3.ご馳走も体験もシェアできるコース選び
食べたい量も人それぞれ。ボリュームのあるメインをシェアできるコースや、ちょっとずついろんなメニューを味わえる割烹スタイルのお店なら、食べきれなかったらどうしよう・・・・・・と不安になりません。食事を残すことに罪悪感を感じるのが親世代。好きな量だけ食べられるシェアコースやブッフェならばそれも解決。シェアコースやブッフェを選んで、孫世代がもりもり食べる姿を眺めるのも心のご馳走になるのです。

4.予算が明確に把握できる価格設定を選ぶ
1人いくら、という価格設定のホテルのブッフェやコースは事前に予算を見積もれるとうれしいもの。というのも、親世代と行く奮発グルメは、子世代が招待して、支払うことが多いからです。大体いくらくらいの総額になるのか把握できると、もてなす側としては安心です。とっておきの美食体験だからこそ、心置きなくご馳走を味わえるよう、予算を立てやすいブッフェやコースを選ぶのも手。

5.ファミリー客も大歓迎の空間や個室を選ぶ
とっておきの美食体験となると、敷居の高いお店も多く、緊張を強いられる親世代も多いかもしれません。その場合は個室を選ぶのもいいですね。正しいマナーや周りの目を気にせずリラックスできそうです。座席数の少ないお店の場合、貸し切れるか相談してみるのもいいですね。割烹などのお酒を楽しむための場でも、ファミリー客を歓迎するお店も増えてきました。このスタイルならば、ほろ酔い気分で食事を楽しみたい大人と、孫世代の小さなお子さんも、宴会気分で楽しめそうです。



この著者のこれまでの記事
実は親しみやすい!シニアと満喫するドバイ旅
発酵が育てた長寿の味。秋の軽井沢で楽しむ親子の美食旅|シニアと行きたい親子旅
親子で非日常を味わう秋の「ヌン活」旅気分|シニアと行きたい親子旅




新規会員登録

この記事の提供元
Author Image

著者:間庭典子(まにわのりこ)

中央線沿線の築30年以上の一軒家に後期高齢者の両親と同居する50代独身フリーランス女子。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)「mc Sister」編集者として勤務後、渡米。フリーライターとして独立し、女性誌など各メディアにNY情報を発信し、「ホントに美味しいNY10ドルグルメ」(講談社)などを発行。2006年に帰国し、現在は日本を拠点に、旅、グルメ、インテリア、ウェルネスなど幅広いテーマの記事を各メディアへ発信。旅芸人並みのフットワークを売りとし、出張ついでに「研修旅行」と称したリサーチ取材や、さびれた沿線のローカル列車で進む各駅停車の旅を楽しむ。全国各地の肴を味わえる地元の居酒屋やスナックなどの名店を探すソロ活動も大好き。

関連記事

賃貸アパートで孤独死した高齢女性、死後4年間も気づかれなかったワケ

2022年10月25日

上手に年を重ねて健康的に。人生100年時代にこの漢方薬!

2022年10月27日

スキンケアからメイクまでトータルであなたをサポート!

2023年9月6日

Cancel Pop

会員登録はお済みですか?

新規登録(無料) をする