作りおきといえば、おかずを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、汁物の作りおきも便利です。今回ご紹介するのは、野菜たっぷりの「根菜汁」。ごぼうや大根、にんじん、こんにゃくなどを使ったやさしい味わいの汁物は、そのままいただくだけでなく、さまざまな料理にアレンジしやすいのも魅力。複数の野菜をとれるため、食事全体の栄養バランスを整えたいときにも重宝します。
年齢を重ねるにつれて、「便秘がちになった」「野菜不足が気になる」と感じる人も多いのではないでしょうか。食事量が減ったり活動量が低下したりすると、水分不足などによって腸の働きが弱まり、便秘が起こりやすくなることがあります。
そんな毎日の食事に取り入れたいのが、ごぼうや大根、にんじんなどの根菜類です。これらの野菜には食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整えることに役立ちます。
特にごぼうには、水溶性食物繊維のイヌリンをはじめ、不溶性食物繊維のセルロースなどがバランスよく含まれています。水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸を刺激します。
また、こんにゃくに含まれるグルコマンナンも水溶性食物繊維の一種で、水分を吸収してふくらむ性質があります。満足感を得やすく、腸の動きを助ける働きも期待されています。
根菜はじっくり煮ることで甘みが増し、やわらかくなるため、噛む力が弱くなってきた方でも食べやすく、食欲がないときにも取り入れやすいでしょう。
薄味で仕上げた根菜汁は、そのまま汁物としていただくのはもちろん、ひと手間加えることでさまざまな料理にアレンジできて便利です。
こんにゃく……100g
ごぼう……1/3本(50g)
大根……1/4本(280g)
にんじん……1本(180g)
サラダ油……大さじ1
A
だし汁……3 3/4カップ
酒……大さじ2
B
薄口しょうゆまたはしょうゆ……大さじ1 1/3
塩……少々
エネルギー:313kcal(全量)
塩分:5.6g(全量)
※料理のエネルギー・塩分は全量分です。
保存期間:冷蔵で2~3日間
①小鍋にこんにゃくを入れ、かぶるくらいの水(材料外)を注いで中火で熱し、沸騰したらざるに上げる。
②ごぼうは縦に4つ割りにし(細ければ輪切りや半分に切る)、薄切りにしてさっと水にさらし、水気をきる。大根、にんじん、①は1㎝角に切る。
③鍋に油を入れて中火で熱し、ごぼう、こんにゃくを炒め、油が回ったら大根、にんじんを加えて炒める。
④Aを加え、煮立ったらアクを取り、ふたをして10~12分煮て、Bで調味する。鍋ごと氷水につけて手早く冷まし、保存容器に移して冷蔵保存する。

エネルギー:78kcal
塩分:1.4g
※料理のエネルギー・塩分は1人分です。
材料と作り方(2人分)
斜め薄切りにした万能ねぎ1本分を半量ずつのせ、一味唐辛子または粗びき黒こしょう少々をふる。
シニアのためのひと工夫:
野菜やこんにゃくは、食べやすいように薄めに切ってもよいでしょう。ささみや豚肉を加えると、たんぱく質も補えます。仕上げをみそ味にアレンジするのもおすすめです。
ごぼうの食感が苦手な場合は、里芋に替えてもおいしくいただけます。胃腸が弱い方は、食物繊維を多く取りすぎると体調が悪くなる場合があるので、食べる量は加減しましょう。
料理撮影(メニュー分):榎本 修
レシピ開発・調理:今泉久美
構成:研友企画出版
著者:今泉久美(いまいずみ・くみ)
女子栄養大学(現:日本栄養大学)栄養学部卒業後、食品会社勤務やテレビ番組のアシスタントなどを経て独立。現在は日本栄養大学栄養クリニック特別講師として、料理指導や生活習慣病予防を意識した献立提案に携わるほか、シニア向けの作りおきや減塩・ヘルシーダイエットなどをテーマに雑誌、新聞、テレビ、講習会で広くレシピを発信している。野菜をたっぷり使い、覚えやすい調味料の分量でおいしく仕上げる「簡単で続けやすい家庭料理」が持ち味で、近著は『いくつになっても「血管」を守る食事』、『栄養士が食べている作りおき献立』『いくつになっても骨は育つ』(いずれも文化出版局刊)など著書も多数。
http://www.imaizumi-kumi.net/