1. 老人ホーム入居時の基本的な持ち物
入居先に持ち込めるものは、施設ごとに異なります。
通常、入居前に施設の相談員から持ち物に関する一通りの説明があり、持ち物リストももらうことができます。
老人ホーム入居時の基本的な持ち物は以下の通りです。
【衣類】
・普段着(上下5組程度)
・下着(5枚程度)
・パジャマ(3組程度)
・靴下(5足程度)
・膝掛け、羽織りものがあると体温調節に役立つ
【履き物】
・室内用(1足)
・外出用(1足)
【洗面用具・衛生用品】
・歯ブラシ、歯磨き粉
・うがい用コップ
・義歯用ブラシ、義歯洗浄剤
・ヘアブラシ
・ひげそり
・爪切り
・耳かき
・シャンプー、ボディソープ、洗顔フォームなど
【その他】
・バスタオル(2枚)
・フェイスタオル(5枚)
・湯呑み、マグカップ(水分補給用)
・箱ティッシュ
・老眼鏡とメガネケース
・紙おむつ(施設が準備する場合もある)
入居後に使用するベッドは、特別養護老人ホームなどの介護保険施設では備え付けられていますが、有料老人ホームなどは持ち込み(またはレンタル)のところが多い傾向です。
備え付けのテレビがない施設もあります。必要と感じる方は、持ち込みもしくはレンタルが可能かを確認しましょう。
3. 老人ホーム入居準備の注意点
老人ホームの準備を進めるときに、気をつけていただきたいことをまとめました。
・持ち物にはすべて名前を書く
老人ホームには、多くの入居者が暮らしています。そのため、多くの施設では、持ち込む荷物の全てに名前を書いていただくようにお願いしています。名前を書いていれば、落とし主を早く特定できるからです。
とくに、入浴介助のサービスを受ける場合や、洗濯代行サービスを利用する場合は、衣類の一枚一枚に記名しておきましょう。名前を書いていないと、ほかの入居者のものと間違えられたり、戻ってこなかったりする可能性が高くなります。
衣類へ名前を書く場合は、洗っても消えない布用のペンで、衣類の裏側の裾に書いておくと消えにくいのでおすすめです。
洗濯用のタグに名前を書く、あるいは、名前シールの貼り付けは、ちぎれたり剥がれたりする場合があるので避けましょう。
・脱ぎ着しやすい衣類を選ぶ
老人ホーム入居にあたり、衣類を買い揃える場合は、ご本人が脱ぎ着しやすい衣類を選びましょう。
とくに、身体に麻痺のある方や、寝たきりの方は、体の動きに制限がある場合が多いため、前開きで伸びやすい素材の服のほうが、着替えやすいのでおすすめです。
また、ご自分でトイレへ行く方は、ズボンのウエストゴムがきついものは、上げ下げが難しくなるので、確認して持ち込むようにしましょう。
・室内履きはシューズタイプを選ぶ
室内用の履き物は、シューズタイプのものを選びましょう。
ときどき、室内履きに「かかとのないタイプのスリッパ」を選ぶ方がいますが、このタイプのスリッパは、滑りやすく、脱げやすいため、高齢者が使用すると転倒する危険性が高まります。
施設側は、入居者が転倒するリスクは避けたいと思っているため、かかとのないスリッパを持っていくと、買い替えを求められる場合がほとんどです。
おすすめは、高齢者の方が履きやすい滑り止め付きの室内履き(シューズタイプ)です。インターネットや身近なところでは、スーパーやホームセンターなどの介護用品売り場で買い求めることができるのでチェックしてみてください。
・入居前に収納スペースの確認
持ち込む荷物の量にも注意しましょう。
入居予定の居室が個室で、広い収納スペースがある場合は、一度に多くの荷物を持ち込むことが可能です。
しかし、多床室の場合は収納スペースが限られるので、最低限のものしか持ち込めません。
あれもこれもと持っていっても、収納スペースに収まりきらず、結局は家族が持ち帰ることになります。
入居前に部屋の収納スペースを見せてもらい、見合った量を持ち込むようにしましょう。
4. 荷物の準備に悩んだら、施設に相談を
荷物を準備するときに「これは持っていってもいいのだろうか」「どのような素材や形の衣類を準備すればいいのだろうか」などと悩んだら、施設の相談員に遠慮なく連絡してください。
老人ホーム入居のために、ご家族が新しく購入されたものであっても、本人にとって使いにくいものや、事故やケガにつながるリスクのあるものは、施設側から買い替えを求められます。
そうなると、もう一度買いに行き、荷物を施設へ届けることになり、お金も余計にかかってしまいます。そのため、入居準備でわからないことや、疑問に思うことがあれば、遠慮なく施設に相談してみましょう。
家族にとって、老人ホームの入居準備は、親を新しい生活に送り出すための大切な一歩です。快適に過ごせるように施設と連携してサポートしましょう。
