1. 訪問前のマナー
①面会の予約をする
面会に行く場合は、必ず施設へ連絡を入れましょう。連絡をせずいきなり訪問するのはNGです。
多くの介護施設では、不審者の侵入を防ぐなどセキュリティ上の理由により、連絡がある人以外の面会は受け付けていない可能性があります。
また、せっかく面会に行っても、病院受診や施設の外出行事に参加していて本人に会えなかったということもあるため、事前に連絡をしておくのが無難です。
②面会前の体調管理
面会の当日は検温を行い、平熱かどうかと体調に変わりがないかを確認します。熱がなくても、せきやのどの痛みなどのかぜ症状があれば面会はキャンセルしましょう。
同居する家族に、発熱やせきなどの症状がある場合も同様です。
高齢者は、感染症などにかかってしまうと重症化するリスクが高いとされています。また、施設は共同生活の場であるため、感染者が出ると一気に広がるおそれもあります。
なお、面会時には、施設側から感染防止対策としてマスクの着用と手洗い・手指消毒を求められるのが一般的です。マスクを忘れないように持参してくださいね。
2. 滞在時のマナー
①面会時間を守る
コロナ禍以降、面会で滞在できる時間を設定している施設も少なくありません。
せっかく面会に来たのだからゆっくり本人と話したい気持ちもわかりますが、決められた時間内に面会を終わらせるのがマナーです
とくに制限が設けられていない場合でも、長時間の面会は本人が疲れてしまいます。本人や家族が負担に感じない時間で面会を終了することを心がけましょう。
②ほかの入居者とは距離感を保つ
面会に行くと、同じ施設に近所の人など知り合いが入居しているケースもあるでしょう。
親しく声をかける程度であれば問題ないのですが、知り合いだからといって、その方の家族のことなどを必要以上に話をすることはやめておきましょう。
たとえば、その方の家族が亡くなっていても、家族の意向で本人に伝えていないことがあります。
筆者の経験からも、面会に来た知り合いから自分が知らない家族の近況を聞き、トラブルに発展したことがありました。
また、何度も面会に行っていると、ほかの入居者の方と顔見知りになることもありますが、相手のプライベートには踏み込みすぎず、一定の距離感を保つことが大切です。
3. 差し入れのマナー
①スタッフへ確認する
差し入れは、相手への思いやりの気持ちが伝わる大切なものです。しかし、差し入れをする前には必ずスタッフに確認して、ご本人の健康や安全に配慮するようにしましょう。
高齢者の中には、持病や健康状態により食事制限がある方も少なくありません。差し入れたものによっては、体調の悪化や誤嚥などの原因になる可能性があります。
また、食べ物だけでなくお金など金品の差し入れも施設側に確認しましょう。認知症などで金銭の管理が難しい場合もあるため、お金を渡す必要があるのであれば、施設で預かってもらえるか相談してくださいね。
施設によっては、差し入れに関するルールがあるため、差し入れをしたい場合は面会予約をする際に施設側に確認すると良いでしょう。
②ほかの入所者への差し入れは不要
「同室でお世話になっているから」と、ほかの入居者へ差し入れをする必要はありません。
差し入れをした行為が思わぬ事故につながる場合や入居者同士の人間関係に影響を及ぼすことがあるからです。トラブルを避けるためにも、ほかの入居者への差し入れは控えましょう。