「介護」、そして「シニアケア」というと、それぞれどんなイメージが思い浮かぶでしょうか？ 現実の場面では、この２つの言葉を並べて補完的に使うこともあるのではないかと思いますが、疑問も浮かんできます。そこで今回は改めて、この２つの言葉の意味合い、そしてMySCUEが大切にしたいと考えている概念について改めてお伝えします。
まずは、「介護」という言葉についてのイメージを考えてみたいと思います。厳密な言葉としての意味ではなく、連想するものやその状態を挙げてみました。
●自身が健康で不都合がないと、自分とは縁のないものだと感じる
●「介護職」「介護施設」など、高齢者を対象としたさまざまなサービスに携わる人やその人たちが属する業界（介護業界）のための言葉
●親が倒れた、認知症になったなどの、身近な人の急変によってやむを得ず放り込まれた「ふつうではない」混乱状態のこと
●高齢の親がいるが、親自身も嫌がる、避けたがる（いわゆる介護用品や介護サービスについても無関心だったり、話題にしても嫌がるなど）
では、「シニアケア」についてはどうでしょう？ このサイトの運営メンバーのひとりとして、連想するものを挙げてみました。
●本格的で重い「介護」に至る段階から前の段階（親などの日常的な家事のサポート、体調を気遣う言動をする、「介護」になった場合のことを考えて情報収集などを始めるなど）から、「介護」を含めた幅広い段階のもの
●「介護」よりも「場」が幅広い
・生活面でのサポート（家の中の掃除、買い物の手伝い、食事内容などへの配慮など）
・体調や健康の管理のサポート（持病の把握、服薬の管理、運動を促すなど）
・もしもの時のための準備：急病になった時に必要なものの場所を把握する、家や自家用車などの財産や資産の把握や親の死後の意向確認、病気になった場合の親自身の意向を把握する
比べてみると、「介護」はそれだけで意味合いが伝わるわかりやすい言葉ではありますが、意味や使われる場は限定され、また言葉から受けるイメージはどうしてもネガティブになりがちなように思えます。
対して「シニアケア」は、一言で「あれね」と意味が伝わるものではないように思えますが、それゆえに幅広く、使われる「場」やそのイメージがどんどん広がるような感じを受けます。「介護」よりはポジティブに受け取れる方が多いのではないでしょうか？
多様でポジティブなイメージの「シニアケア」ですが、私達MySCUEは、「シニアケア」を先述の「介護」の段階をも含む、非常に幅広い概念をもつものと捉えています（下図参照）。
というのも、どんなに健康で丈夫な人間であっても加齢に応じて心身の変化をきたすものであり、自分ひとりでは毎日の生活動作もままならない時は必ずやってきます。それが高じて「介護」の段階に至ることも避けられない現実です。その現実は把握した上で、「介護」を見据えたものとしての「シニアケア」の重要性を、私達MySCUEは伝えていきたいと考えています。
何気なく使う言葉とその言葉が及ぼす影響には、計り知れないものがあります。ネガティブなイメージが強く伝わってしまう言葉を多く使ってしまうことで見逃されてしまう機会や背を向けられてしまうことを可能な限りなくし、健康、お金、家族関係、娯楽など、人生のさまざまな曲面で起こり得る変化を冷静に見通し、一つひとつ対応し、備えてくこと。そのことの重要性はもちろん、そのプロセスをも楽しむこと。MySCUEが目指す「シニアケア」は、厳しさとともに楽しさをも含んだものです。
高い技術によって支えられた便利な商品、興味をもつまでは知らなかった制度や法律、専門家の話によって知ったケアの仕方やサービス、変わりゆく親とのかかわりの中でケアラーとなって初めて感じた言いようのない感情など、MySCUEの情報サイトや店舗では、さまざまな情報が行き交っています。
その情報の渦の中で、それぞれの方がご自身にとって役立ちそうなものや共感できる思いを見つけたり、たとえ疑問であっても何か思いを起こしていただけるものを発信すること。そしてウェブ上やリアルな店舗の中で双方向のコミュニケーションができること。そんな情報のやりとりを通じて、これからのあなたの生活の負担と不安が和らぎ、そして社会が少しずつよい方に変わっていくこと。私達MySCUEはそんな未来を描いています。
キーとなるのは情報とコミュニケーション。これからもMySCUEは「シニアケア」の大切さをより多くの方々に伝え続けてゆきます。
著者：MySCUE編集部
MySCUE （マイスキュー）は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。
