スマホには携帯電話にない機能が多く、使うことで生活が便利になったり楽しくなるメリットがたくさんあります。ケアラーにとっても親世代にとっても、手間をかけずにいろいろ形でコミュニケーションがとれるため、たとえ離れていても安心感が生まれます。覚えておいてほしいスマホの基本をまとめました。
 

1. シニア世代はスマホやタブレットをどれだけ使っている?

シニア世代のスマホ活用を調べた総務省の「令和3年版情報通信白書」(*)によると、以下のような結果があります。
 
●スマートフォンやタブレットを
「よく利用している」
60〜69歳で55.5%
70歳以上では24.3%

「ときどき利用している」
60〜69歳で17.9%
70歳以上では16.5%
 
70歳代以上でも、思ったよりスマホを使う人が増えていると思いませんか? 逆に、このような結果もあります。
 
●スマートフォンやタブレットを
「利用していない」人
60〜69歳で18.8%
70歳以上では49.8%
 
利用していない理由を70歳以上に聞いてみると、一番多かったのは、
「自分の生活には必要ないと思っているから(52.3%)」
でした。このほか、
「どのように使えばよいかわからないから(42.4%)」
「必要があれば家族に任せればよいと思っているから(39.7%)」
あるいは、
「情報漏洩や詐欺被害などのトラブルに遭うのではないかと不安だから(23.2%)」
という回答もありました。
 
しかし、シニア世代でも操作が簡単なスマホは増えています。何事も習うより慣れろの精神で、これを機会に親世代のスマホ利用を考えてみてはいかがでしょう? 「自分の生活には必要ない」と思っている親世代も、子や孫世代とのコミュニケーションの楽しさを知れば、きっと受け入れてくれるはずです。

*出典:令和3年版情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済
シニア世代はスマホやタブレットをどれだけ使っている?

2. トーク、既読など使うコトバをおさらい

スマホはインターネット回線を通して使う道具です。携帯電話が電話の利用を中心としているのに比べて、生活を便利にする機能や用途がたくさんあるのが魅力です。

しかし、スマホを使う上で、なじみのない言葉にとまどい、それが苦手意識につながっている親世代も多いかもしれません。そこで、覚えておきたいコトバを、特にLINE(ライン)を中心におさらいしましょう。
 
●AndroidとiPhone
スマホには、動かすための仕組みの違いから「Android(アンドロイド)」と「iPhone(アイフォン)」の2種類があることを覚えておきましょう。Androidの方が各社から販売されて種類も豊富です。
 
●アプリ=機能を使うための仕組み
アプリは、キッチンで使うオーブンやトースターのように、スマホという場所で使う家電のようなものです。ご飯を炊くには炊飯器を使うように、地図を使うには地図のアプリ、ゲームをするにはゲームのアプリを使います。スマホを購入すると、最初から電話アプリや写真を撮るカメラアプリのように基本的なアプリが入っていて、すぐに使えるようになっています。

アプリの種類は非常に多いので、必要に応じて少しずつ揃えましょう。LINEをはじめ、多くのアプリは無料で入手できます。
 
●ダウンロード=アプリをスマホで使えるように入手すること
アプリは、アプリストアで手に入ります。アンドロイドならPlay ストア、アイフォンならApp Storeを通じて、ダウンロードします。
 
●タップ=軽く押すこと
スマホは、画面を軽く1回押す「タップ」で操作するのが基本です。タップよりも長く押し続けるのが「長押し」です。
 
●友だち=LINEに登録している人
LINEでは、お互いに登録してはじめて、やり取りをすることができるようになります。この登録した人のことを「友だち」と呼びます。誰が友だちになっているかは、LINEを開いて左下に出る家(ホーム)のアイコンをタップすると確認できます。
 
●トーク=文字(メッセージ)でのやり取り
LINEを開いて左下に出る吹き出しのアイコン(トーク)を押し、さらに友だちの名前をタップすると、これまでのやり取りが確認できます。一番下の白く細長い枠をタップすれば、文字を入力できます。
 
●既読=相手がトークを読んだという印
トークでやり取りをしていると、自分の打った文章は緑色、相手の文章は白色の吹き出しで表現されます。自分の吹き出しの横に小さく「既読」と表示されていたら、相手が文章を読んだという印です。シニア世代とのやりとりなら、返事も焦らず、ゆっくり楽しむといいですね。
トーク、既読など使うコトバをおさらい

3. LINEでできること

LINEをはじめ、Instagram(インスタグラム)、X(旧Twitter)、Facebookなどのように、コミュニケーションを楽しむサービスを総称してSNSと言います。なかでも、LINEは身近な人と気軽にやり取りができることから、シニアにも人気のアプリです。

LINEの機能の中心は、携帯電話とカメラとメールが合体したようなもの。電話アプリやメールアプリを使い分けなくても、これ一つで完結します。しかも、「テレビ電話のように顔を見て話すことができる」「撮った写真を送り合える」「文字でやり取りができる」「防災にも役立つ」などで、遠く離れた子、孫世代とも簡単につながることができます。LINEは、世代の枠を超えてコミュニケーションを楽しむことができる頼もしいツールといえるでしょう。
 
LINEでできること

4. LINEは無料?有料? データ通信料は?

LINEでの通話は無料です。ただし、通信料はかかっているということを覚えておきましょう。
 
LINEでのやり取りは、インターネット回線がつながっているところで行えます。電話番号で通話する場合と違い、「何分でいくら」という通話料はかかりません。ただし、インターネットのデータ通信料はかかります。

インターネットのデータ通信料は、YouTube(ユーチューブ)の動画視聴などのように、重たいデータを使うほど多くかかるものです。LINEでのやり取りで言えば、

文字のやり取り<スタンプのやり取り<無料通話<ビデオ通話 
写真のやり取り<動画のやり取り

の順にデータ通信量を多く使っていると覚えておきましょう。
 
LINEは無料?有料? データ通信料は?

5. さいごに

毎日長時間のビデオ通話をしたり、動画を視聴しなければ、それほど通信量が増えて料金を心配することはないのですが、不安に思う場合は、スマホの契約会社に相談してみましょう。


友だち追加



6. 監修者プロフィール

岡嶋裕史(おかじま・ゆうし) 
中央大学国際情報学部教授、中央大学政策文化総合研究所所長。専門分野は情報ネットワーク、情報セキュリティ。Eテレ『趣味どきっ』の初心者向きスマホ講座では、長く監修講師を務めている。著書に『メタバースとは何か』『思考からの逃走』『5G』『NHK趣味どきっ!動画付きでよくわかる スマホまねるだけ講座』『100の困った!に応えます はじめてのスマホトラブル・お悩み解決ブック』他多数。

 

関連記事
親とのやりとりで活用!「LINE」でできること&基本設定を整理!
親にこそ活用してほしいLINE、メッセージを送る際の「困った」を解決!
親にこそ活用してほしいLINE、スタンプや写真を送る際の「困った」を解決!
親にこそ活用してほしいLINE、友だち追加についての「困った」を解決!



この記事の提供元
Author Image

著者:MySCUE編集部

MySCUE (マイスキュー)は、家族や親しい方のシニアケアや介護をするケアラーに役立つ情報を提供しています。シニアケアをスマートに。誰もが笑顔で歳を重ね長生きを喜べる国となることを願っています。

関連記事

シニアの体型とライフスタイルに寄りそう、 2つの万能パンツ

2022年7月23日

排泄介助の負担を軽減!排尿のタイミングがわかるモニタリング機器とは?

2022年9月23日

暮らしから臭い漏れをシャットアウト! 革新的ダストボックス

2022年9月5日

Cancel Pop

会員登録はお済みですか?

新規登録(無料) をする