「親が元気なうちに一緒に旅行したいけれど、どんなことに気をつけたらいいんだろう?」
旅行の計画を立てているケアラーもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、介護福祉士の資格を持つ筆者が、シニアと安心して旅行を楽しむためのコツとして、行き先選びのポイントや事前にしておきたい準備、持ち物についてわかりやすく解説します。
旅行は、シニアの心と身体にさまざまなよい影響をもたらします。
・散策による適度な運動
・非日常体験による脳の活性化
・外出による気分転換
旅先で、公園や観光名所などを散策すると、シニアの運動不足解消に効果的です。また、自然と歩行距離が長くなるため、自力で歩ける筋力の維持にも役立つでしょう。
普段の行動範囲が限定されがちなシニアにとって、旅先の風景や体験は新鮮に感じられ、脳にもいい刺激になると考えられています。
外の空気を吸うと気持ちも開放的になり、沈みがちだった気分が明るく前向きになる方も多い傾向があります。
シニアが安全に旅行を楽しむには、行き先選びが重要です。
夏や冬は、熱中症やヒートショックなど健康上のリスクが高くなります。シニアと旅行する際は、暑さ、寒さが厳しすぎない春か秋がおすすめです。
シニアの健康面や体力に不安がある場合は、日帰りできる近場の観光スポットがおすすめです。適切な旅行先を選ぶ自信がない方は、旅行会社が提供しているシニア向けプランを検討してもよいでしょう。
添乗員が誘導してくれるプランや、歩く時間が抑えめにされているプランなどがあり、シニアとの旅行が初めてのケアラーでも安心です。
砂利道や段差の多い場所は、シニアが転倒しやすく、車いすも進みにくい傾向があります。段差がないなど、バリアフリーが整備された行楽地を選ぶと、安全かつ快適に散策できるでしょう。
旅行先を決めたら、次に移動手段や現地の設備などを調べておきましょう。
シニアが万が一体調を崩したときのために、近場で受診できる医療機関を把握しておきましょう。
高齢になると、ひとつの動作や移動に時間のかかる方が多くなります。やりたいことを詰め込みすぎず、余裕を持った時間配分で予定を立てると、焦りからくる事故を防ぎやすくなります。
電車やバスには優先席や車いすスペースがありますが、混雑状況によっては利用しにくいこともあります。飛行機は優先搭乗や車いす対応がありますが、事前申請が必要です。 利用予定の交通機関に早めに問い合わせておくと安心です。
なお、自宅の車いすを持っていく場合や、現地で車いすを借りる場合は、以下の記事で点検項目や操作方法を確認しておくと安心です。
・関連記事:車いすの基本的な介助方法と注意点|介護福祉士が解説!
高齢になると頻尿に悩むシニアが増えるため、移動ルートの途中でトイレ休憩がとれる場所も調べておくと、本人の不安が和らぎます。
トイレ休憩がとれる主な場所は以下となります。
・高速道路のパーキングエリア
・スーパー、デパート、コンビニエンスストア
・道の駅 など
市販のコンパクトな携帯トイレをバッグや車内に入れておくのもよいでしょう。
現地の食事処や宿泊先に、シニアが食べられるものがあるか、事前にインターネットで調べたり、お店に問い合わせたりして確認しておきましょう。
ご本人の状態に応じて、パウチのレトルト食や携帯できるトロミ剤、食材をカットするハサミなどを持参するとより安心です。
旅行に行く前に、以下のチェックリストを参考に持ち物を用意しましょう。
基本的な持ち物
・常備薬(予備も持参)
・マイナ保険証/資格確認書
・お薬手帳
・季節や天候に応じた着替え
・紙おむつまたは尿取りパッド
・帽子・上着(日焼け対策)
・老眼鏡・補聴器(必要な方)
・傘・カッパ
・歩きやすい靴
・携帯トイレ
・食べ物・飲み物
移動中の快適グッズ
・シートクッション
・ネックピロー
あると便利なアイテム
・携帯スロープ
・お風呂の滑り止めマット
・折りたたみ杖
ここでご紹介したのはあくまで一般的な持ち物です。ご本人やご家庭の状況に応じてアレンジしながらお役立てください。
著者:小原 宏美
大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。
現在はフリーライターとして、介護や音楽などに関する記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)