シニアにとってペットは心の支えであり、大きな生きがいにもなります。一方で、急な入院などで飼育が困難になった場合、対応や判断を迫られるのはケアラーです。

今回は、シニアがペットを飼うメリットと注意点に加え、もしもの時の備えについて解説します。

1. シニアがペットを飼う4つのメリット

犬や猫などのペットの存在は、シニアの心身にさまざまなよい影響をもたらします。
主なメリットを4つご紹介します。

・規則正しい生活を送れるようになる
・ペットの散歩やお世話で活動量が増える
・孤独感が和らぐ
・ペットを通じた仲間ができやすくなる


犬と散歩する人

著作者:wirestock/Freepik


一人暮らしになると生活習慣が乱れがちなシニアもいますが、ペットがいると毎日決まった時間にお世話をする必要があるため、生活リズムが整いやすくなります。また、ペットの散歩や食事の準備、トイレの掃除などで動く時間が増え、運動不足の解消にもつながります。

自分を必要としてくれ、愛らしい仕草で癒してくれるペットの存在に、生きがいを感じるシニアも少なくありません。

さらに、ペットを飼っていることが他者との交流のきっかけになり、孤独感が和らぐケースもあります。

2. シニアがペットを飼う際の注意点

シニアとペットがお互いに無理なく暮らしていくためには、メリットだけでなく、将来起こりうる心配事も事前に把握しておくことが大切です。主な注意点を3つご紹介します。

・急な入院や施設入居により、ペットの世話ができなくなる
・ペットのお世話にかかる費用が負担になる
・ペットが高齢になり、世話や介護が必要になる

飼い主が高齢になると、急な病気や入院、施設入居で、ペットのお世話ができなくなる可能性が若い世代より高まります。

また「ハルメク生きかた上手研究所」の調査によると、犬や猫のお世話にかかる費用は月平均17,985円とのこと。年金が主な収入源であるシニアにとっては、この出費が負担になる場合もあるでしょう。

さらに近年は、人間だけでなくペットの高齢化も進んでおり、犬や猫の平均寿命は約14〜15歳となっています。ペットも年齢とともに介護が必要になる可能性が高くなり、体力が低下しているシニアにはお世話が負担になることも考えられます。

シニアがペットを飼うかどうかは、もしもの時の預け先や経済的な見通し、ご自身の年齢とペットの平均寿命を考慮したうえで検討することをおすすめします。

3. ペットを飼っているシニアの「もしもの時」への備え

ここからは、シニアがペットのお世話ができなくなった場合に備えて、知っておきたいポイントをご紹介します。「すでにペットがいる場合」と「これから迎える場合」に分けて見ていきましょう。

【すでにペットがいる場合】
◾️預け先の確保
万が一の時にペットをどこに預けるか、事前にリストアップしておきましょう。

・一時的な預け先を探す 
飼い主の急な入院や災害時など、一時的にお世話ができなくなった場合に備え、家族や友人、ペットホテル、かかりつけの動物病院などを確認しておきましょう。


・長期的に世話をしてくれる人を探す 
長期療養などで飼育の継続が難しくなった場合に備えます。身近に頼れる人がいない場合は、地域の動物保護団体やペットシッター、里親募集団体などの情報を集めておきましょう。


・ペットと一緒に入居できる高齢者施設を探す 
将来的に、ペット可の施設へ転居するのも選択肢の一つです。中には、飼い主が亡くなった後もペットの世話を継続してくれる施設もあります。


◾️ 日常的な準備
スムーズに預けられるよう、日頃からペットの状態を整えておくことも大切です。


・ペットのしつけやケア(シャンプー・爪切りなど) 
いつ預けても問題ないよう、清潔な状態を保っておきましょう。預け先の負担を減らし、環境変化によるペット自身のストレス軽減にもつながります。


・不妊・去勢手術をしておく 
計画外の繁殖を防ぎ、お世話の負担が増えないようにします。


・「ペットのもしもの安心カード」を携帯する 
飼い主の氏名、ペットのかかりつけ医、手術歴などを記入できるカードです。自治体のホームページや役所窓口で入手し、財布や手帳に入れて持ち歩きましょう。

シニア本人は「自分はまだ大丈夫」と考えがちです。元気なうちからケアラー主導で上記の備えについて話し合っておくと、もしもの時も慌てずに済みます。対応に悩む場合は、担当ケアマネジャーや民生委員、地域の保健所に相談しましょう。


【これからペットを迎える場合】
◾️「成犬・成猫」を迎えることも検討を
これから新しくペットを迎えようとしている場合は、成犬・成猫を選ぶのも一つの「備え」です。

子犬や子猫は愛らしいですが、体調を崩しやすく、しつけなどの手間もかかります。ある程度性格が落ち着いている成犬・成猫を迎えることで、シニアの体力的な負担を減らすことができます。

4. 「ペット信託」という制度も知っておこう

ペット信託とは、飼い主が亡くなったり、飼育が困難になったりした場合に備えて、信頼できる第三者にペットの世話とそのための費用管理を託す制度です。家族同然のペットの将来を守る有効な選択肢として、近年注目を集めています。

頼れる家族や知人が身近にいないシニアの選択肢として、知っておくとよいでしょう。具体的な仕組みや費用については、家族信託を扱う司法書士や弁護士、信託銀行などの専門家に相談してみてください。

5. ペットロボットを迎えるのも選択肢のひとつ

「シニアがペットを飼うのはどうしても不安…」という場合は、ペットロボットを迎えるのも選択肢のひとつです。

MySCUEでは過去にさまざまなペットロボット・コミュニケーションロボットを紹介してきました。その中から、シニアにおすすめの製品をピックアップします。


ペットロボットの種類(表)

Moflin(モフリン)
価格:59,400円(税込)
特徴:
・飼い主の接し方次第で感情が育ち、400万通り以上の豊かな個性が生まれる
・モフモフの毛並みに包まれた手のひらサイズで、お出かけにも連れて行ける
▶︎紹介記事 いつもあなたのそばにいる癒しのAIペット「Moflin(モフリン)」

パンダきみは!?
価格:7,128円(税込)
特徴:背中やおでこをなでると、声を出したり目を閉じたりして反応してくれる。抱きしめたり、膝に乗せたりするのにちょうどいいサイズ感。
▶︎紹介記事 話しかけたり、なでたり……シニアを笑顔にするお茶目なペット「パンダきみは!?」

NICOBO(ニコボ)
価格:60,500円(税込) ※別途、月額1,100円のベーシックプランの加入が必要
特徴:
・「永遠の2歳児」の愛らしさがあり、話しかけてくれた人の声の大きさや方向を適切に認識する
・独自の言語「モコ語」や飼い主の言葉を覚えて話す。
▶︎紹介記事 ゆるくてかわいいロボット、NICOBO(ニコボ)の秘密


Romi(ロミィ)
価格:98,780円(税込) ※別途、月額利用料1,958円必要
特徴:
・AIを使って、まるで人と話しているかのような自然な会話ができる
・見守り機能により、離れて暮らす家族の様子をプライバシーに配慮しながら把握できる
▶︎紹介記事 会話AIロボット「Romi」がもたらす癒しと笑顔


本物の動物のような触り心地のロボットや、会話のやり取りを楽しめるロボットなど、外見も機能もバリエーション豊富です。ご家庭の予算や欲しい機能をもとに選ぶとよいでしょう。

※価格や機能は2025年12月時点のものです

6. まとめ

ペットを飼うことは、シニアの心身に多くのメリットをもたらします。一方で、命ある存在だからこそ、もしもの時への不安がつきまとうのも事実です。

すでにペットを飼っている場合は、預け先のリストアップやペットの安心カードの準備など、元気なうちから備えを進めておくことが大切です。これから迎える場合は、成犬・成猫を選ぶことで体力的な負担を軽減できます。

今回ご紹介した心配事や備えを参考に、シニアご本人とケアラーでよく話し合ったうえでペットを迎えるかどうかを決めましょう。

「ペットを飼うのは難しいけれど、癒される存在が欲しい」という場合は、ご紹介したペットロボットも含めて、ご家庭に合った選択肢を検討してみてください。



監修:中谷ミホ
写真:Freepik、写真AC

この記事の提供元
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著者:小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。
現在はフリーライターとして、介護や音楽などに関する記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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